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家族ではないけど、家族のように過ごした時間が愛おしい…『旧​グッゲンハイム邸裏長屋』シネ・リーブル神戸で舞台挨拶開催!

2021年6月26日

神戸・塩屋の海沿いに立つ旧グッゲンハイム邸の裏にある古びた木造の長屋で共同生活を送る住人達を描く『旧​グッゲンハイム邸裏長屋』が、6月25日(金)より公開。6月26日(土)には神戸・三宮のシネ・リーブル神戸に前田実香監督と藤原亜紀さんと森本アリさんと渡邊彬之さんを迎え、舞台挨拶が開催された。

 

映画『旧​グッゲンハイム邸裏長屋』は、海辺の洋館の裏にある古びた長屋で、共同生活を送る人たちの物語。日々の生活をノートに記すことが習慣のせぞちゃん、裏山に登ることが好きなとしちゃん、仕事に恋に忙しいづっきー、そして料理上手なあきちゃん。今日も退居者をみんなで見送り、また新しい入居者がやってくる。どこからともなく集まって、家族のように過ごしている住人たち。しかし、ときにこの家には時に招かれざる客も訪れるのだった…

 

上映後、前田実香監督と藤原亜紀さんと渡邊彬之さんと森本アリさんが登壇。神戸の映画館で公開できる喜びを分かち合う舞台挨拶となった。

 

2019年6月上旬に撮影し、2020年に編集して完成して賢島映画祭やTAMA NEW WAVEでの受賞経験のある本作。「いつか映画館でぜひ上映したい」と願っていた前田監督は「神戸の皆さんに神戸で撮った映画を観て頂ける機会が出来て、しかも、舞台挨拶に登壇させて頂きました」と感慨深い。あきちゃん役の藤原さんは「大きなスクリーンで沢山の方に大切な作品を観て頂くことができて嬉しい」と喜びを表し、教授役の渡邊さんは「家族ではないけど、家族のように集まってワイワイご飯を食べたりセッションしたり愛おしい時間が今は出来ないのが悔しい」と現在の状況を鑑み、かつての日々が戻ってくることを願っていることを打ち明けた。旧グッゲンハイム邸の管理運営をしている森本さんは「一時期を切り取ってくれた。ガブリエルも実在で、最後に登場する今村もあの頃に入ってきた子」と明かしながら「彼女が脚本を書いているんですけど、様々な出来事の積み重ねをミックスしてたり彼女自身を他の人に演じてもらってたり。良い記念になりました」と感謝を伝えていく。

 

本作について、前田さんは「台詞がナチュラルだと思われたかもしれません」とお客さんの反応を伺いながら「一応、筋書きがあり、台本の流れを私が作っています。台詞を書いて覚えて喋ってもらっています。けっこうアドリブも多く、アドリブが面白く、編集中も全て採用したいぐらいおもしろい」と振り返る。そこで、アドリブの例をいくつか挙げながら「大筋には全く関係ないんですが。私が書いた以上に役者のみなさんが作ってくれた作品だなぁ」と出演者の皆さんに感謝の気持ちを伝えた。

 

藤原さんは、前田監督から台本を受け取り「自分の台詞がこんなに沢山あるとは思わなかったんです。演技は小学生の劇とかしかなかったので、自分が演じられるのかな」と不安があったが「前田監督が温かく見守ってくれるんです。台詞を喋った後に、わざとらしかったかな、と思っていても、前田監督が『めっちゃ良かったよぉ』と言ってくれた。間が怖くて様々なアドリブを喋ってしまうのも、前田監督がニヤニヤしながら見ていた。見守ってくれている中で、皆が伸び伸びと演技できたんじゃないかな」と一安心。今回、TAMA NEW WAVE以来にゆっくりと観て、改めて「全ての景色や写っている人や裏長屋に自分がいた頃のことを鮮明に思い出して、全部が愛おしくて抱きしめたい映画だな。非日常のようで私には日常だった。大切なシーンが沢山ありました」と印象に残っている。音楽セッションが始まるシーンについて「長屋ではよくあること。私はこんなに素敵で奇跡のような楽しい空間に住んでいたんだな」と改めて実感し「そういう景色や空気をこの映画に全部詰め込んで残してもらったこと、そこに参加させてもらえたタイミングや奇跡、前田監督には感謝しています」と表した。

 

渡邊さんは、前田監督から「なべちゃんにしか出来ない役があるから出てほしい」と言われ、台本を受け取り「役名は教授。しかも、変人な教授なので複雑だったんですが」と告白。しかし、楽しく演じることができ「唯一のフィクションな役であり、難しいなと思いながらも、自分なりに解釈してやってみました」と思い返していく。また、皆でご飯を食べているシーンについて「最近は出来ていないので、愛おしく感じて、また皆で集まれたら嬉しいなぁ」と願いながら、本作を観ていた。森本さんは「本当に撮るんやぁ、本当に出来たんやぁ」と感慨深く「ディテールが豊かな映画。ユルい感じがありますが、ユルい感じがしっかりと、現実にはないようなバランスで映画に結実しているのが嬉しい」と喜んでいる。また、井戸の話をしているシーンについて「実際に掘ったら水が毎日湧いててポンプアップしている、と話している。エピソードの盛り込み方が観ている側としても、知っている側としても、様々にフィクションとノンフィクションを混ぜ込んでいておもしろいですね」とお気に入りだ。

 

最後に、前田さんは、本作のパンフレットの代わりに制作されているレシピ本の紹介をしながら、感謝の気持ちを表明。藤原さんは「この映画を観て、塩屋という街の魅力や神戸だけでなく全国の方に観て頂きたい温かいものが沢山詰まっている映画だと思います、各地で上映されていくことを願っています」と伝え、渡邊さんも「撮影した塩屋の魅力が詰まっています。実際に来て頂いたら、もっと素晴らしさが分かって頂けるかな様々なお店も出来てきてるので、ぜひ遊びに来て頂ければ」を塩屋へ誘っていく。森本さんもレシピ本をお薦めしながら感謝の気持ちを伝え、舞台挨拶は締め括られた。

 

映画『旧​グッゲンハイム邸裏長屋』は、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開中。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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