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車椅子生活を送る17歳の娘と歪んだ愛情を注ぐ母親の関係を描く『RUN/ラン』がいよいよ劇場公開!

2021年6月14日

(C) 2020 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

 

異常な愛情を注ぐ毒母の狂気と、脱出を試みる車椅子の娘との心理戦をスリリングに描く『RUN/ラン』が6月18日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『RUN/ラン』は、母親の娘への歪んだ愛情の暴走を描いたサイコスリラー。郊外の一軒家で暮らすクロエは、生まれつきの慢性の病気により、車椅子生活を余儀なくされていた。しかし、前向きで好奇心旺盛な彼女は地元の大学への進学を望み、自立しようとしていた。ある日、クロエは自分の体調や食事を管理し、進学の夢も後押ししてくれている母親ダイアンに不信感を抱き始める。そして、クロエの懸命な調査により、ダイアンが新しい薬と称して差し出す緑色のカプセルが、けっして人間が服用してはならない薬であるということが判明してしまう。

 

本作は、パソコン画面上でドラマが展開するという新機軸で注目を集めたサスペンススリラー『search /サーチ』のアニーシュ・チャガンティ監督が手掛けた。クロエ役をオーディションで抜擢された新人女優キーラ・アレン、母ダイアン役をドラマシリーズの「アメリカン・ホラー・ストーリー」のサラ・ポールソンがそれぞれ演じる。

 

(C) 2020 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

 

映画『RUN/ラン』は、6月18日(金)より、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条、神戸・三宮の神戸国際松竹をはじめ、全国の劇場で公開。

生まれつき病弱で下半身麻痺により車椅子生活を余儀なくされている娘と娘を献身的に支え続ける母親…もし、あなたの身近な人にそのような境遇の親子がいたら、大変ながらも一緒懸命に頑張っている親子だと好意的に捉えるだろう。しかし、とんでもない悪意が潜んでいたとしたら…?本作は、無償の愛や母性の暴走を描いたスリラー。既視感あるスリラーだと思うかもしれない。しかし、今作は、パソコンの画面内だけで事件が進行する大傑作スリラー『search/サーチ』を作り上げたアニーシュ・チャガンティ監督の新作である。もう面白くないわけがない!

 

ある日、買い物袋の中から見つけた薬をきっかけに娘は母親に対する違和感を覚え、疑念が膨らむようになっていく。母は娘を大切にいたわっているし、いつも気にかけてくれる。しかし、彼女の優しさが時に過剰で神経質に感じてしまう。進学を希望する大学の合格通知を待ちながら開かれた未来に期待する。一方、ずっと母と2人きりの生活が今後も続くのではないか、と閉塞感が頭から離れない。そして、母への疑念は最悪な真実を導き出してしまう。母性という名の牢獄に囚われていることに気づいた娘は脱出を試みるが、虚弱体質かつ下半身麻痺という大きなハンデが立ちふさがる。娘が母への疑念に囚われていく過程と身体的ハンディキャップによるスリリングな展開の連続はシンプルだが、見る者を釘付けにすること間違いなし。『search/サーチ』のような飛び道具的な設定を使わずとも、王道で恐ろしいスリラーを作り上げるアニーシュ・チャガンティ監督の演出力は見事としかいいようがない。今作のようにきちんと面白い王道な作品と出会えた喜びは格別である。

 

そして、狂気の毒親を演じたサラ・ポールソンの演技も忘れられない。真面目で優しいが、瞳の奥には悲しみと強迫観念に囚われている。彼女はいつ壊れてしまうのか分からない。繊細な演技が狂気の毒親に人間味を宿していた。また、下半身麻痺の娘を演じたキーラ・アレンのフレッシュな存在感も良い。実際に車椅子で生活していると彼女の実在感が今作の迫真性を高めている。是非とも映画館で母親の狂気と娘のスリリングな脱出劇、そして驚愕のラストを堪能していただきたい。

fromマリオン

 

これまで様々な作品で「サイコな母親」が描かれてきたが、本作で新たにサラ・ポールソンが加わった!先天性の病気によって車椅子での生活を送る娘クロエと、クロエを献身的に世話する一方で支配下に置こうとする母親ダイアン。お互いの存在がないと生きていけない。共依存関係にあったが、クロエの成長と共に崩れ始める。シンプルなプロットながら、加速してくダイアンの狂気と、一つ一つ明かされていく真実に背筋が凍る上質なスリラーだ。

 

自分の全てだった娘を失うダイアンには少しばかり同情をしてしまいそうになる。だが、想像以上の毒母なので安心してほしい。逃れられそうで逃れられない、タイミングの良すぎる登場シーンの連続で、初めは娘思いだったダイアンがどんどんモンスターに見えてくる。ダイアンを演じたサラ・ポールソンによるトラウマ必至の演技には脱帽の一言。これ以上のハマり役はいなない。一方、インターネットも遮断され、圧倒的に不利な状況で追い詰められるクロエだが、何度絶望しても決して諦めない力強さを持っている。まさに自分の運命に立ち向かう姿だ。本作は彼女が母親と決別して独り立ちをするまでのストーリーである。実生活でも車椅子で生活をしているキーラ・アレンの体当たりな演技も素晴らしい。しかしながら、そう簡単に親子の縁は切られるものだろうか…予想だにしない、恐ろしすぎるハッピーエンドが観客を待ち受けている。

fromマエダミアン

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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