デイヴィッド・バーンとスパイク・リーがコラボ!ブロードウェイで上演された舞台を再構築した『アメリカン・ユートピア』がいよいよ劇場公開!
(C)2020 PM AU FILM, LLC AND RIVER ROAD ENTERTAINMENT, LLC ALL RIGHTS RESERVED
トーキング・ヘッズの元フロントマンであるデイヴィッド・バーンが2018年に発表したアルバムを原案に製作したブロードウェイのショーを再構築した映画『アメリカン・ユートピア』が5月28日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『アメリカン・ユートピア』は、元トーキング・ヘッズのフロントマンでグラミー賞受賞アーティストのデイヴィッド・バーンが2018年に発表したアルバム「アメリカン・ユートピア」を原案に作られたブロードウェイのショーを、「ブラック・クランズマン」のスパイク・リー監督が映画として再構築。本アルバムから5曲、トーキング・ヘッズ時代の9曲など、全21曲を披露。バーンは様々な国籍を持つ11人のミュージシャンやダンサーとともに舞台の上を縦横無尽に動き回り、ショーを通じて現代の様々な問題について問いかける。クライマックスでは、ブラック・ライブズ・マターを訴えるジャネール・モネイのプロテストソング「Hell You Talmbout」を熱唱する。パントマイムや前衛パフォーマンスの要素も取り入れた斬新な振り付けを手がけたのは、過去にもバーンの舞台を手がけたアニー・B・パーソン。ブロードキャスターのピーター・バラカンが日本語字幕監修を担当。
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映画『アメリカン・ユートピア』は、5月28日(金)より全国の劇場で公開。関西では、5月28日(金)より神戸・三宮の神戸国際松竹や兵庫・西宮のTOHOシネマズ西宮OS、6月1日(火)より京都・烏丸の京都シネマで公開。また、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のTOHOシネマズなんばでも近日公開。
デイヴィッド・バーンが2018年に発表したアルバム「アメリカン・ユートピア」がブロードウェイ公演に…!トーキング・ヘッズの名ライブ映画『ストップ・メイキング・センス』の再来か!?と否が応でも期待してしまう。近年では、 2017年7月の立誠シネマ最終日に観ており、熱狂の応援上映を体感したことを思い出す。
本作の舞台セットは、天井からのグレーの簾が下りているのみ。まずはデイヴィッド・バーンのみが椅子に座った状態で登場し、脳模型を片手にアルバムの楽曲「Here」を披露。そして、楽曲毎にミュージシャンが数人ずつ呼び込まれていく。最終的にパーカッションが6名、バックヴォーカル2名、ギターにベースとキーボードの合計11人の大所帯が勢揃い。ステージ上には、人間と楽器以外は存在していない。ケーブル関係は全てワイヤレスとなっており、物理的な制限なく複雑なダンスの動きも交えて楽曲を披露していく。なお、デイヴィッド・バーン含め全員のスタイルはグレーのスーツに裸足。まさに『ストップ・メイキング・センス』を想起させる演出である。
そして、本作の監督はスパイク・リー!アメリカを中心とした現代社会における問題を捉えた作風の監督ならでは演出の数々が際立っている。特に、人種の問題を捉えていることが伺えるジャネール・モネイによる楽曲「Hell You Talmbout」が印象的だ。黒人の名前が次々と挙げられ、一体どういう方々なのか、と記憶に思いを巡らしながら考えていると最終的に提示された名前を見てハッとさせられる。まさに今もアメリカで問題になっているあの出来事だ。『アメリカン・ユートピア』というタイトルが如何に皮肉を込めた意味深なものであるかと認識させられる。
アンコールにはトーキング・ヘッズの名曲「Road To Nowhere」を披露。ステージを降りてフロアをマーチングバンドのごとく練り歩くメンバー達には観客も総立ちで応えていく。どれ程に素晴らしいショーであったか、とまじまじと伝わってくる。今年で69歳を迎えたデイヴィッド・バーンが次にどのような作品を世に放つのか、まだまだ目が離せない!
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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