Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

  • facebook

椿が咲き誇る家に住む祖母と孫娘、家を訪れる人々の姿を描く物語『椿の庭』が関西の劇場でもいよいよ公開!

2021年4月14日

(C)2020 “The garden of Camellia” Film Partners

 

椿が咲き誇る一軒家に暮らす祖母と孫娘が、家を訪れる人々と交流する姿を、四季を感じさせる映像で描く『椿の庭』が4月23日(金)より関西の劇場でも公開される。

 

映画『椿の庭』は、サントリーや資生堂などの広告写真を手がける写真界の巨匠である上田義彦さんが構想10年をかけて作り上げた人間ドラマ。庭に椿が咲き誇る一軒家。長年連れ添った夫を亡くした絹子は、夫と子どもたちとの思い出が詰まったその家で娘の忘れ形見である孫娘の渚と暮らしていた。夫の四十九日を終えたばかりの春の朝、世話していた金魚が死んでしまう。金魚は椿の花で体を包まれ、庭の土へと還っていった。庭に咲く色とりどりの草花から季節の移ろいを感じ、家を訪れる人びとと語らいながら、過去に思いをはせながら日々を生きる絹子と渚。そんなある日、絹子に一本の電話がかかってくる。

 

本作は、数多くの広告写真を手がける上田義彦さんが、富司純子さんと『新聞記者』のシム・ウンギョンを主演にメガホンを取った初監督作品。絹子役の富司さん、渚役のシム・ウンギョンのほか、鈴木京香さん、チャン・チェン、田辺誠一さん、 清水綋治さんらが顔をそろえる。

 

(C)2020 “The garden of Camellia” Film Partners

 

映画『椿の庭』は、関西の劇場では、4月23日(金)より大阪・梅田のテアトル梅田と難波のなんばパークスシネマと京都・烏丸の京都シネマ、4月30日(金)より神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。

暗闇に蝋燭の火が揺らめくように、赤い金魚の尾びれが水面下に揺蕩う。ファーストシーンから、静かで安らかな雰囲気に満たされてゆく。屋敷の主を見守るような庭にある椿の花だけでなく、紫陽花や新緑の葉、季節の花木もスクリーンを彩る。映像だけでなく、自然の音も心地よい。そぼ降る雨音、古民家の障子や雨戸の開け閉め、畳の上を歩く足音、夕方のそよ風。写真家である監督による作品は、気づくと穏やかな雰囲気に浸って、ただのんびりと観てしまっていた。シム・ウンギョンの上品で落ち着いた所作と、あどけない少女のような表情とを交互に見せる姿も美しい。「ちょっと見ない間に、また綺麗になったんじゃない?」というセリフに、大きく頷いてしまう(エンドロールでは「シム・ウンギョン」という名前は漢字ではどう書くのかを知ることが出来たのも、ちょっと嬉しい)。劇中で何度も流れる曲「TRY TO REMEMBER」には、過ぎ去ってしまったものを懐かしく思う寂しさが漂う。そして「でも、それを覚えている今の気持ちも素敵じゃない?」と語りかけるような歌詞は、富司純子さんの佇まいと重なり、この作品にとても相応しい。

fromNZ2.0@エヌゼット

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

Popular Posts