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5人の自閉症の少年少女の目に映る世界を捉えたドキュメンタリー『僕が跳びはねる理由』が関西の劇場でもいよいよ公開!

2021年4月14日

(C)2020 The Reason I Jump Limited, Vulcan Productions, Inc., The British Film Institute

 

自閉症者である5人の少年少女の姿や家族の証言を通して、周囲から理解されにくい彼らの感情や記憶などを紐解く『僕が跳びはねる理由』が4月16日(金)より関西の劇場でも公開される。

 

映画『僕が跳びはねる理由』は、会話のできない自閉症という障害を抱える作家の東田直樹さんが13歳の時に執筆し、世界30カ国以上で出版されたエッセイ「自閉症の僕が跳びはねる理由」をもとにしたドキュメンタリー。世界各地の5人の自閉症の少年少女たちの姿やその家族たちの証言を通して、自閉症と呼ばれる彼らの世界が、普通と言われる人たちとどのように異なって映っているのかを明らかにしていく。そして、自閉症者の内面がその行動にどのような影響を与えるかを、映像や音響を駆使して再現。彼らが見て、感じている世界を疑似体験しているかのような映像表現を紡ぎ、「普通とは何か?」という抽象的な疑問を多角的にひも解いていく。

(C)2020 The Reason I Jump Limited, Vulcan Productions, Inc., The British Film Institute

 

映画『僕が跳びはねる理由』は、関西の劇場では、4月16日(金)より大阪・梅田のシネ・リーブル梅田と難波のなんばパークスシネマと京都・烏丸御池のアップリンク京都、5月7日(金)より神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。

自閉症とは、主に先天的な原因により、対人関係の特異性やコミュニケーションの質的な障害などが見られる障害と云われている。同年代の他者と互いに交流を行うことが難しく、幼児期には人より物への興味が強い、他者の存在への無関心といった特性が見られることがあるようだ。社会的場面においてのコミュニケーション方法が独特であるとも云われるが、彼らは自分なりに懸命になってコミュニケーションを図ろうとしていることが本作を観て理解することが出来る。彼らの目に映り感じ取ったものを介して、生きている世界と接しようとしていく。その姿を観た私達は、改めて世界に対する価値観を見出すことが出来るかもしれない。

 

なお、本作は、対象者を真摯に捉えただけのドキュメンタリーではない。時に煌びやかエフェクトが伴った映像や異世界に入り込んだかのように感じさせる音響が盛り込まれている。まさに、エンタテインメント・ドキュメンタリーとも言うべき作品の仕上がりだ。そこで本作は「普通とは?」「個性とは何か」と投げかけてくる。誰もが平穏無事に社会で生きていくためには、普通を強いられているかもしれない。個性を出そうとすると押しつぶされてしまうのか。それは世界にとって良いことなのか、問いかけられた。自閉症を抱えた日本人の少年が紡いだ言葉が世界で苦しんでいる人達を少しでも救ったのなら、多様な個性がある人達が生きやすくなる世界になっていくことを願うばかりだ。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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