作家トルーマン・カポーティの栄光と転落に満ちた人生に迫るドキュメンタリー『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』が関西の劇場でもいよいよ公開!
(C) 2019, Hatch House Media Ltd.
名著『ティファニーで朝食を』『冷血』を世に送り出し、若くして天才作家として脚光を浴びたが、晩年はアルコールと薬物の中毒に苦しんだトルーマン・カポーティのドキュメンタリー『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』が、11月20日(金)より関西の劇場でも公開される。
映画『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』は、20世紀アメリカ文学を代表する作家トルーマン・カポーティの栄光と転落を描いたドキュメンタリー。ニューヨーク文壇の寵児として注目を集め、セレブリティのアイコン的存在として社交界を席巻したカポーティ。待ち望まれていた新作「叶えられた祈り」はニューヨークの上流階級の実態を描いた最高傑作となるはずだったが、第1章が発表されると、そのスキャンダラスな内容は激しい論争を巻き起こした。社交界から追放されたカポーティはアルコールと薬物に溺れ、作品の完成を待たずしてこの世を去る。ジャーナリストのジョージ・プリンプトンによる評伝「トルーマン・カポーティ」の取材テープをはじめ、時代をともにしたセレブリティたち、友人知人や敵対した人物へのインタビュー、秘蔵映像などを通して彼の波乱に満ちた生涯に迫り、“未完の絶筆”とされる問題作「叶えられた祈り」を巡るミステリーをひも解いていく。
本作は、オバマ政権時のホワイトハウスでソーシャル・セクレタリーを務めた経歴を持ち、これが初監督作となるイーブス・バーノが監督を務め、カポーティの知られざる素顔と波瀾万丈の人生を浮き彫りにしていく。
(C) 2019, Hatch House Media Ltd.
映画『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』は、11月20日(金)より大阪・梅田のテアトル梅田、11月27日(金)より神戸・三宮のシネ・リーブル神戸、12月4日(金)より京都・烏丸の京都シネマで公開。
『ティファニーで朝食を』をはじめ、映画化された作品もあり、何かしらの形で日本人も知っている人が多いトルーマン・カポーティ。21世紀を迎えた今、改めてドキュメンタリーが制作され、天才作家の神髄を紐解いていく。とはいえ、冒頭から、未完の問題作『叶えられた祈り』に繋がっているとも捉えられそうな証言が十分にあった。ニューヨークのハイソサエティの実態を知ろうとしている雰囲気が十分に伝わってきたが、一部公開された内容はスキャンダラスな内容で激しい論争を起こしていく。何故、彼は敢えて問題作と受けとめられても仕方がない内容にしたのだろうか。
彼は、ホモセクシュアルであることが知られていた。しかし、上流階級の社会に受け入れてもらっている。とはいえ、人々の受けとめ方は様々だ。心ない発言もする言動を向ける方もいた。カポーティがハイソサエティに対して強く惹かれていた、同時に、虚無と軽蔑を抱いてしまったならば、具現化する衝動があってもおかしくない。結局、未完の作品となった。晩年はアルコールと薬物の中毒に苦しんでおり、切なさも感じてしまう。彼は『叶えられた祈り』を最後まで書いていたのだろうか。されど、人たらしと呼ばれたカポーティ。未完にせず、最後まで書き終え、どこかに保管されていると思えてならない。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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