2017年に世界を震撼させたあの暗殺事件に迫るドキュメンタリー『わたしは金正男を殺してない』が関西の劇場でもいよいよ公開!
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世界中が衝撃を受けた、金正男暗殺事件の真相に迫るドキュメンタリー『わたしは金正男を殺してない』が、10月23日(金)より関西の劇場でも公開される。
映画『わたしは金正男を殺してない』は、2017年にマレーシアのクアラルンプール国際空港で起こった、北朝鮮の朝鮮労働党委員長・金正恩の実兄・金正男暗殺事件。この事件の闇と真相に迫ったドキュメンタリー。白昼のマレーシアの空港で、金正男が神経猛毒剤「VX」を顔に塗られ、殺害された。彼を殺したのはベトナム人とインドネシア人の2人のごく普通の若い女性だった。彼女たちはなぜ金正男を暗殺したのか。事件を追う中で、それぞれの明るい人生を夢見る貧しい彼女たちにつけ込んだ、北朝鮮工作員たちの姿が明らかとなっていく。
本作の監督は『おしえて!ドクター・ルース』『ジェンダー・マリアージュ 全米を揺るがした同性婚裁判』などのドキュメンタリーを手がけたライアン・ホワイト。北朝鮮の平壌や逮捕された2人の故郷であるインドネシアとベトナム、そして裁判の行われているクアラルンプールの法廷などを映し出した。
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映画『わたしは金正男を殺してない』は、関西では10月23日(金)より大阪・梅田のシネ・リーブル梅田と京都・烏丸の京都シネマで公開。また、11月21日(土)より神戸・元町の元町映画館でも公開。
2017年2月13日、金正男が殺された。かつて日本へ密入国しようとして見つかった、金正日総書記の長男と云われた人物だ。暗殺事件が報道された時は、衝撃的だったが、事件の真相やその後の出来事はどうなっていただろうか。たしか実行犯にされた女性達の裁判については報道されていた…かなという程度の記憶はある。その真相はまさに闇が深いが、本作において可能な限りのドキュメンタリーとして仕上げられた。
そもそも、一滴でも死をもたらすと言われる神経剤VXが顔に塗られて殺された、ということだが、塗った側はどうなの?と疑問が残る。冷静に考えれば、塗るように仕向けた人達は、この女性達を守ろうとはしていない。殺してくれたら、あとはどうでもいいや、と云わんばかりだ。まさに恐ろしい…闇があり過ぎる!よく私も書いているものだ。いや、本作を観た人達は共犯者のように感じてしまうのか、いや決してそんなはずはない。
本作を監督したライアン・ホワイトは、『おしえて!ドクター・ルース』や『ジェンダー・マリアージュ 全米を揺るがした同性婚裁判』といった観る者にグッと感じさせる印象があった。だが、聖職者による性犯罪の闇に切り込んだNetflixオリジナル・シリーズ『キーパーズ』を手掛けており、骨太な監督であることが分かる。よくぞ本作を日本で劇場公開することを決めた人達に畏れ入る次第。あなたはこの闇をどう感じるか大いに問いたい!
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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