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グザヴィエ・ドランが恋と友情に揺れる青年たち描く『マティアス&マキシム』がいよいよ劇場公開!

2020年9月23日

(C) 2019 9375-5809 QUEBEC INC a subsidiary of SONS OF MANUAL

 

幼なじみで親友の男性ふたりが、キスシーンの撮影で自分の恋心に気づき、恋と友情の間で葛藤する姿を繊細な心理描写で描く『マティアス&マキシム』が、9月25日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『マティアス&マキシム』は、友情と恋心の狭間で揺れる青年2人の葛藤を描いた青春ラブストーリー。幼なじみである30歳のマティアスとマキシムは、友人の短編映画で男性同士のキスシーンを演じたことをきっかけに、心の底に眠っていた互いへの気持ちに気づき始める。婚約者のいるマティアスは、親友に芽生えた感情に戸惑いを隠しきれない。一方、マキシムは友情の崩壊を恐れ、思いを告げぬままオーストラリアへ旅立つ準備をしていた。別れが目前に迫る中、本当の思いを確かめようとするマティアスとマキシムだったが…

 

本作では、グザヴィエ・ドラン監督が『トム・アット・ザ・ファーム』以来6年ぶりに自身の監督作に出演し、主人公の1人であるマキシムを演じ、マティアスをガブリエル・ダルメイダ・フレイタスが演じた。共演に『Mommy マミー』のアンヌ・ドルバル、『キングスマン ファースト・エージェント』のハリス・ディキンソンが並ぶ。なお、2019年の第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品であった。

 

(C) 2019 9375-5809 QUEBEC INC a subsidiary of SONS OF MANUAL

 

映画『マティアス&マキシム』は、9月25日(金)より、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマ、難波のなんばパークスシネマ、京都・三条のMOVIX京都、神戸・三宮の神戸国際松竹をはじめ、全国の劇場で公開。

グザヴィエ・ドラン監督がこれまで撮り続けてきた作品以上に二人の青年による純粋なロマンスを真摯に描ききった。さらに、原点回帰したかのように思えるキャスティングが魅力的に映し出されていく。19歳で監督デビューしコンスタントに撮り続けて30代を迎え成熟したかのように感じながらも、同世代の出演者達と瑞々しい作品を完成させた。

 

そもそも、本作はドラン監督が『君の名前で僕を呼んで』を観て感動し、その思いを以て制作された一作。冒頭には『ブルックリンの片隅で』『ゴッズ・オウン・カウントリー』『ある少年の告白』『君の名前で僕を呼んで』の各監督に捧げた作品であることが伝えられる。それぞれの作品で主人公や登場人物達が自らの性について悩みながらも秘めた思いや愛情に対して純粋に向き合っていく。本作では、基本的には男同士の友情を愚直に描きながらも、避けざるを得なかった戯れのようなキスによって、溢れんばかりの想いがお互いを揺さぶってしまう。これはもう同性愛や異性愛の境界は関係ない。秘めた思いを解き放ち、相手への愛情をどのように表現し行動していくか。友情と恋愛の狭間で揺れ動く人々を描いた物語だ。

 

なお、グザヴィエ・ドラン監督作品はどれも音楽が重要である。英米ロックシーンの有名な楽曲を存分に用いて作品を印象深くすることも多い。今作では、監督と同じくカナダのケベック州出身のピアニスト、ジャン-ミッシェル・ブレが担当している。柔らかく繊細な旋律を得意とする彼は、本作でマティアスとマキシムの揺れ動く感情を見事に表現した。台詞はなくとも音楽だけで十分に心象風景が描かれている。ラストシーンを迎えた時、マティアスとマキシムの真っ直ぐな思いが存分に伝わってきて、清々しい気持ちで観終えられた。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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