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独特の世界観をどのようにしてリアルに見せるか、一人二役を見事に演じきった『フェイクプラスティックプラネット』山谷花純さんに聞く!

2020年8月14日

街をさまよう貧困女子が数奇な出来事に遭遇するサバイバルドラマ『フェイクプラスティックプラネット』が8月15日(土)より関西の劇場でも公開。今回、山谷花純さんにZoomを用いたインタビューを行った。

 

映画『フェイクプラスティックプラネット』は、過去に自分とそっくりの人間がいたということから、運命のいたずらに翻弄されていく主人公を描いたサバイバルミステリー。貧困のためネットカフェ暮らしをしているシホは、ある街角で初対面の占い師に「あんた、25年前にも来たね」と言われる。自分と瓜二つの人間が25年前にいたのかどうか、真実を知ろうとしたシホだったが、そのことから彼女は不思議な出来事に翻弄され、常識の全てが覆る思いがけない事態に直面していく。『劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命』『人間失格 太宰治と3人の女たち』などに出演した山谷花純さんが、主人公シホ役と25年前に失踪した女優・星乃よう子役の1人2役を務めた。監督は、前作『数多の波に埋もれる声』と本作で、2作連続のゆうばり国際ファンタスティック映画祭オフシアターコンペティション部門出品となった宗野賢一さん。

 

2008年から女優として活動している山谷さん。様々なキャラクターを演じてきたが、今作は今までにない現代の貧困女性を演じた。山谷さん自身は「映画ならではの生っぽさを意識しながら演技させて頂いた。陰のキャラクターに引っ張られず、いつもの作品の延長線上で今作を演じさせて頂きました」と振り返る。2013年に出演したTVドラマ「科捜研の女」に宗野監督が当時は助監督として携わっており、今回のオファーを受け「改めて、今回が”はじめまして”のような感覚でした。覚えて頂いたことは凄く嬉しかったですね」と喜んだ。複雑な本作のストーリーに対し、最初は疑問があったが、撮影現場でディスカッションし「意見交換していくうちに世界観を理解できました」と良い時間を持てたことで、監督に感謝している。一人二役を演じており「役柄の違いを大切にしたかった。ファンタジー要素もある。独特の世界観をどのようにしてリアルに見せるか」と意識し続け、撮影に挑み続けた。

 

共演者には、「劇団青年座」の方々が参加しており「事前に準備してきて、カメラの前で存分に発揮している。カメラが回り始まったら最後までストップがかからない。舞台と同じ。小道具の使い方等も含め上手いなぁ」と感心。特に、越村友一さんとのシーンは演じていて楽しく、印象に残っている。また、冒頭とエンディングのナレーションがあるシーンを気に入っており「ただ歩いているだけのシーンだけど、ナレーションに合わせて道を歩いているシーンは凄く好きですね。最初と最後で主人公の心情の変化を分かりやすく撮って頂けた。観た人に寄り添ってもらえるシーンになっているんじゃないかな」と話す。もし主人公のシホが実在したとしたら、山谷さんは「彼女がどんな生活を送っているか気になりますね。自分にそっくりな人が違う人生を歩んでいる日常の環境、生活環境や家庭環境。自分とは違う道を歩んでいる人の過去や現状を自分と比べてみたい」と想像してみる。また「ネットカフェの隣人の皆さんに会ってみたい。どんな会話をしているのか気になりますね」と興味津々だ。そこで、本作の続きを想像し「シホは、少しずつ人との関わり方が変わっていくんだろうな。少し不便な生活環境が豊かになっていくんじゃないのかな。人との繋がりは日常を確立していく中で大切なこと。諦めることが少なくなっていくんじゃないのかな。ちゃんとウチに住んだり職に就いたりしていくんじゃないのかな」と思いを馳せていた。

 

今後公開される出演作品では、矢崎仁司監督作品『さくら』で、北村匠海さん演じる薫と友達以上恋人未満の関係性がある役柄を演じており「要所要所で薫が大人の階段を上るきっかけを作る役柄」だと解説。二宮健監督作品『とんかつDJアゲ太郎』については「原作の漫画を読んでいる人は大丈夫かなと疑われているかもしれませんが、期待をはるかに上回る完成度。映画館で観た方が楽しめる作品」だと述べ「二宮健監督がクラブ世代の気持ちを考慮しながら、物語として描いている。カラフルな画が奇麗でした。重低音を効かした音の拘りがあり、とんかつが凄く美味しそうなので、お腹が空く映画」だとお薦めしていく。劇場で映画を観ることを大切にしている山谷さん。現在は、人が集まる場所を避けざるを得ない状況が続き、自宅で鑑賞する機会が増えている。インスタグラムに鑑賞した作品について投稿しており「オススメされる作品から探している時に、ポスターが目を惹く作品で印象に残った作品を選んで観ることが多いですね。また、仕事で必要な役の作品も観ていますね」と明かす。様々な作品から自身の演技へ昇華しており「息の長い女優でいたい。映画が好きなので、スクリーンが似合う女優になっていきたい。変に取り繕わず、自然体な女優、演じていない時も血の通っている女優で居続けたい」と今後を楽しみにしながら、目指している女優像を語ってもらった。

 

映画『フェイクプラスティックプラネット』は、8月15日(土)より、大阪・九条のシネ・ヌーヴォで公開。また、京都・九条の京都みなみ会館でも近日公開予定。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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