アート市場の舞台裏に迫るドキュメンタリー『アートのお値段』が関西の劇場でもいよいよ公開!シネ・リーブル梅田で公開記念トークショー開催!
驚くような高値で取引されることもある芸術作品市場の現在を見つめたドキュメンタリー『アートのお値段』が9月27日(金)より関西の劇場でも公開される。9月28日(土)には、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田で公開記念トークショーを開催。
映画『アートのお値段』は、『マイ・アーキテクト ルイス・カーンを探して』でアカデミー賞にノミネートされたナサニエル・カーン監督が、アートの価格を題材にアート市場の裏側に迫るドキュメンタリー。秋のオークション開催まで6週間と迫ったニューヨークのサザビーズ。アート界周辺がにわかに騒がしくなり、オークショナー、ギャラリスト、評論家、コレクター、そしてアーティスト、それぞれの立場のさまざまな思惑、価値観がせめぎあう。ラリー・プーンズ、ジェフ・クーンズ、ジョージ・コンド、ゲルハルト・リヒターら一流アーティストたちが登場するほか、サザビーズでの実際のオークションの様子などを紹介。「アートの価値」をさまざまな角度から掘り下げていく。
本作の公開を記念し、9月28日(土)、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田に、TEZUKAYAMA GALLERY ディレクターの松尾良一さんとFM802メディアワークス プロデューサーの谷口純弘さんを迎え、公開記念トークショーを開催する。松尾良一さんは、1992年より大阪帝塚山を拠点にウォーホル、ジャスパー・ジョーンズなど国内外の現代美術を紹介するギャラリーを運営してきた。2008年より日本の若手アーティストのプライマリーギャラリーとしての運営も行い、2010年に現在の南堀江に移転後も積極的に海外のフェアに出展して日本現代美術を紹介している。谷口純弘さんは、802Mediaworks/digmeout プロデューサーとして、FM802のビジュアルにアーティストを起用し、ソニー、日産、りそな銀行、ナイキなどの企業プロモーション、アートブックの発行、国内・海外での展覧会を手掛けるなど「街」と「アート」と「人」をつなぐ活動を進めてきた。2011年5月にはアートギャラリー「DMO ARTS」をオープンし、2015年よりアートフェア「UNKNNOWN ASIA」を企画・主催している。
映画『アートのお値段』は、9月27日(金)より大阪・梅田のシネ・リーブル梅田、10月5日(土)より京都・烏丸の京都シネマ、10月19日(土)より神戸・元町の元町映画館で公開。シネ・リーブル梅田での公開記念トークショーは、9月28日(土)14:00の回上映後に開催。
まるで、神々の遊び、のようである。
興味の無い者にとっては正直どこが良いのかわからない、いわゆる現代アートの作品たち。だが途方もない高額で買い取られてゆく様は、もはや現実的な景色ではなく雲の上の饗宴だ。
アメリカでは、近年、上流1%の富豪が全体の50%の富を独占していると言われる。1枚の絵画を何十億円という値段で売り買いしている富豪たちを見ていると、莫大な金額の資産は案外こんな風に空回りしているだけなのかも知れない、と思えてきた。「安く買って高く売る」ことだけが目的の資産家に買い取られ、所有されているアート作品も多い。美術ファンの間ではよく話題に上る、美術館の「死蔵」という深刻な問題は現代アートの世界でも同じようだ。暗く安全な場所に閉じ込められたままの絵画や彫刻たち。美術館の収蔵品の量と限られた展示スペースとが折り合わないため、大半の美術品は誰の目にも触れないままひっそりと収蔵されたままだ。
だが、ドキュメンタリーの中では、落札した高額の美術品を普通に自宅に飾って毎日眺めている富豪の姿も映される。美術品たちにとって幸せなのは、美術館の奥深くで保管されることではなく、当たり前のように愛でてくれる「誰か」のもとで普通に飾られることなのかもしれない、という話を思い出した。原題は「The Price of Everything」。アートに限らず、モノの値段って何なんだろう。。。?と考えさせられる作品だ。
fromNZ2.0@エヌゼット
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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