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字幕を入れないでも伝わる思いがある…!『ココロ、オドル』尚玄さんを迎え舞台挨拶開催!

2019年7月27日

夫婦になれない男と女、心の通じ合えない親子、家族になれない父と娘が、すれ違いながらも徐々に心の絆を再び築き上げていく姿を描く『ココロ、オドル』が、7月27日(土)より大阪・十三の第七藝術劇場で公開。初日には、尚玄さんを迎え、舞台挨拶が開催された。

 

映画『ココロ、オドル』は、沖縄・慶良間諸島の座間味島でオールロケを敢行し、慶良間の美しい自然を背景に不器用ながらも愛を求めて生きる3組の家族の姿を描いたオムニバス映画。座間味島の民宿「満月荘」にやってきた外国人カップルと、民宿のおばぁと孫が、言葉が通じない中で、時にすれ違いが生じながらも交流していく姿を描いた第1話「夫婦になれない男と女」、兄夫婦に息子を任せたまま島を飛び出し音沙汰のなかった男が5年ぶりに帰郷し、人生をやり直そうとする様子を描く第2話「心の通じない親子」、妻が不倫相手と島を出てしまい、残された娘とぎこちない生活を続けるサバニ職人の男のもとに、妻の不倫相手が現れたことで起こる事件を描いた第3話「家族になれない父と娘」の3話で構成される。
監督は、沖縄県出身の映像ディレクターで、『琉神マブヤー』『沖縄を変えた男』など、沖縄を舞台にした作品づくりを続ける岸本司さん。2015年に手がけた短編『こころ、おどる』を、岸本監督が自ら長編化した。

 

上映後 、尚玄さんが登壇。ハイサイ!の一声で沖縄の空気に包まれていった。

 

本作は、1話目の元になった短編『こころ、おどる』を撮り直し、新たに2話追加して長編作品として制作されている。尚玄さんは岸本監督の2006年に制作された長編デビュー作以来、10年以上も一緒に作品をつくっており、今回で6本目。今作は、沖縄ならではのユーモアやジョークが多くあり、沖縄以外での反応を心配していたが、拍手を頂き一安心。岸本監督は沖縄の方言は残したい思いがある。「1話目では、外国人夫婦に言葉が通じなくても伝わる思いがある。字幕を極力入れないでも伝わる」と聞き、バランスを考えて方言を残していることが印象的に感じていた。尚玄さんは那覇の出身だが、現在は東京在住。共演者のテンポに合わせる必要があり「座間味島の感覚は沖縄本島とも違う。地元の人と話したり吞んだりして親しんでいった」と振り返る。また「おばぁがいないとこの映画は成立しない。おばぁとは1本目から一緒に共演させてもらっているので仲良くしている」と信頼を寄せていた。

 

 

2週間弱で本作は撮影されたが、岸本監督が雨男のため、大きく影響していく。だが、スタッフは驚かない。壊れた車を押すシーンは3回も撮り直している。それでも一番困ったのは、ラストで踊り出す前のシーン。尚玄さんは「2人の関係を積み上げてきたので、話さなくてもお客さんは分かってくれる」と信じ、と皆でギリギリまで話し合い、台詞を全てカットした。なお、アドリブも多かったが、短編に出演していたことで「コメディのキャラクターが身についており、長編では深みを与えたかった」と思いが出来上がっていく。岸本監督の映画に対する情熱も感じており「現場では、譲れない部分について喧嘩のようなディスカッションを行っている。長編化にあたり最初に声をかけてくれたので、どのように作るか十分に話し合った」と揺るぎない監督と役者の関係が作り上げられていた。

 

映画『ココロ、オドル』は、大阪・十三の第七藝術劇場で公開中。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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