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観終わった後に何も残らなくていい…!『耳を腐らせるほどの愛』NON STYLEの井上裕介さんと石田明さん、山谷花純さんを迎え舞台挨拶開催!

2019年6月15日

無人島のホテルで死体が発見されたことをきっかけに起きる騒動を描き出すラブコメディ『耳を腐らせるほどの愛』が、6月14日(金)より全国の劇場で公開中。6月15日(土)には、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマにお笑いコンビNON STYLEの井上裕介さんと石田明さん、山谷花純さんを迎え、舞台挨拶が開催された。

 

映画『耳を腐らせるほどの愛』は、お笑いコンビ「NON STYLE」の石田明が脚本を担当し、相方の井上裕介がしゃべる死体役で映画初主演を務めるラブコメディ。無人島のホテルで男の死体が発見された。男の身元は「たとえ話サークル」の合宿で島にやって来た部長の鈴木鈴吉。死体には何者かにガラス製の大きな灰皿で殴打された痕跡があり、偶然ホテルに居合わせた探偵の真壁は宿泊客の誰かが鈴木を殺害したと見て、捜査を開始する。真壁の事情聴取から、鈴木がサークルの女子たちと複雑な関係であったことが判明。その様子を見た死体の鈴木が「僕は愛されすぎた。死んだのは、自業自得だ」と意味深なことをしゃべりだし……。監督は『森山中教習所』『ヒーローマニア 生活』『花宵道中』などを手がけた豊島圭介さん。

 

上映後、NON STYLEの井上裕介さんと石田明さん、山谷花純さんが登壇。お笑い芸人ならでは賑やか舞台挨拶となった。

 

脚本を担当した石田さんは、完成した作品について「悩みごとが馬鹿らしくなっているでしょ」と発する。「自分が考えていたのは、観終わった後に何も残らないのがテーマだった。本当にそれが出来た。何も持って帰らない。今日はビールよりも発泡酒が上手いやろな」と満足していた。上映中は通路で鑑賞し、お客さんの笑い声が聞こえて安堵に包まれた。終始一貫して死体役だった井上さんは「半分は本当に寝ています」と告白。「睡眠状態をイイ感じに監督に撮って頂いた。眠ってしまったことにより、血糊がカーペットに固まり、頭が離れないトラブルがあり、髪の毛を若干切りました」とまで打ち明けた。「たとえ話サークル」の一員を演じた山谷さんは「”たとえ”で話すことが日常生活でほとんどないし、今までの作品でもそんな台詞がほぼなかったので、演じていて新鮮でした」と話し「お笑い芸人さんは頭の回転が速く、尊敬しました」と伝える。これを受け、石田さんは「皆さん完璧です。サークルですから、上手過ぎても困る。素人さんの中で、たとえ話を研究しているので、ちょっと上手いぐらいが良い。皆さん良かったですね」と称えた。

 

映画出演のオファーを受けた井上さんは「眠っていればお給料が入るシステムが生まれました」と夢のような話を頂き、演技するつもりがない状態で参加。だが、蓋を開ければ台詞は十分にあった。石田は出来る限り台詞を減らそうとしていたが、監督から「台詞をちょっと増やして下さい。井上さんを主役と云いたいので」と云われる始末。とはいえ「井上は主役じゃなかったでしょ、葵ちゃんか八嶋さんでしょ」とごり押しした。

 

撮影中は、井上さんと八嶋さんと”とろサーモン”の村田さんがずっと喋っている賑やかな環境だった。井上さんは「俺と八嶋さんが朝7時から『おはよう!!』とテンション高かった。朝7時から夜9時ぐらいまで、ずっと撮りっぱなし」と明かしていく。山谷さんも「ここまで賑やかな楽屋はないですね」と驚いていた。芸達者の八嶋さんは、ほぼアドリブかと思える演技だったが、石田さんは「言ってほしい台詞は言ってくれていいます。それ以外の動きや良い方は自由ですよね」と伝えると、井上さんは「映画では様々な真似までしていた。リハ含め同じシーンを3回撮っても3回とも違う。本番では何をするんだろ」とワクワクしていたことを振り返る。山谷さんも八嶋さんの演技にドキドキしながら本番を迎えていたことが多く「自分にカメラが向いていなかったり、寄っていなかったりすると、八嶋さんの方を向かないで誤魔化してました」と明かす。

 

最後に、石田さんは「皆様の人生において最も無駄な一時間半やったと思うんですけど。これを色々な方に共有して頂ければ」と正直に語る。山谷さんは「宣伝するのが難しい作品であることも魅力。こんなに何も考えないで、楽しさを第一に考えながら作品を観れるこのは幸せなこと。一瞬の楽しさや幸せを感じてもらえたら」と伝えていく。井上さんからは「沢山の方に観て頂いて笑って頂けると、芸人としては本望でございます」と告げ、舞台挨拶は締め括られた。

 

映画『耳を腐らせるほどの愛』は、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマ、京都・桂川のイオンシネマ京都桂川で公開中。また、7月5日(金)より、神戸のOSシネマズ神戸ハーバーランドで公開。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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