時代に翻弄された軍歌劇団の若者描く『芳華-Youth-』がいよいよ関西の劇場でも公開!
(C)2017 Zhejiang Dongyang Mayla Media Co., Ltd Huayi Brothers Pictures Limited IQiyi Motion Pictures(Beijing) Co., Ltd Beijing Sparkle Roll Media Corporation Beijing Jingxi Culture&Tourism Co., Ltd
時代の波に翻弄される中国の若者たちの、美しく切ない青春の日々を描き出す青春ラブストーリー『芳華-Youth-』が、5月10日(金)より関西の劇場でも公開される。
映画『芳華-Youth-』は、1970年代の中国を舞台に、激動の時代の波に翻弄されながらもたくましく生きる若者たちの切なくも美しい青春の日々をつづったラブストーリー。1976年、夢と希望に溢れる17歳のシャオピンは、歌や踊りで兵士たちを慰労し鼓舞する歌劇団・文工団に入団する。農村出身で周囲となじめない彼女にとって唯一の支えは、模範兵のリウ・フォンだった。しかし、時代が大きく変化する中で起きたある事件をきっかけに、2人の運命は非情な岐路を迎える。
本作は、『唐山大地震』『戦場のレクイエム』の名匠フォン・シャオガンがメガホンを取り、『シュウシュウの季節』のゲリン・ヤンが原作・脚本を担う。リウ・フォン役を『空海 KU-KAI 美しき王妃の謎』のホアン・シュアンが演じる。
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映画『芳華-Youth-』は、5月10日(金)より、大阪・梅田のテアトル梅田、5月11日(土)より、京都・烏丸の京都シネマで公開。また、6月15日(土)より、神戸・新開地の神戸アートビレッジセンターで公開。
女性の踊る姿の美しさをしみじみ感じた。
誰もいない薄暗い練習場で踊るシャオピンの美しさには目を見張る。皆から臭いとからかわれ、こっそり写真を撮ることもできないドジなシャオピン。仲間の輪に馴染めず踊りが特別上手いわけでもない。舞台には立てず、舞台袖で衣装や小道具の準備をする。映画の前半は美しい女性たちが踊り、水で遊び、歌を歌う。どの部分を切り取っても華やかで眩しくて儚い。その中でシャオピンだけがその空気から浮いた存在に感じられる。
だが、後半で、戦争が始まると、空気は一変する。シャオピンの涙、強さは心にグッとくるものがあった。みんなが透明な空気の中過ごしていた時間にシャオピンは何を考えていたのか。戦争が始まり、そして、終わるまでは怒涛の展開でシャオピンの心の内までは分からない。けれど、客席から踊りを観ていたシャオピンがとった行動は文工団にいた時間を必要なものだったと十分に思わせてくれた。
前半の文工団での暮らし、後半の戦争、そしてラストへと続く今作。タイトルである『芳華』の意味を全編通してしっかりと感じさせてくれる映画であった。
fromマツコ
圧巻だった。今年の中国映画のベストを一本だけ選ぶなら、この作品を強く推したい。
半世紀にわたる波乱の物語を、二時間で語りきる力強さ。激動の時代を生き抜く二人の男女、そしてこの物語の語り手であるもう一人の人物。ストーリーの構造を理解すると、もう一度最初から観たくなる。美男美女しか出てこない、美化された世界があった。実際、サービス満載なビジュアルのエンタメ性はもの凄い。大迫力のワンカットで見せる中越戦争の凄惨な戦闘シーン。スタイルの良い美人しかいない軍の歌劇団。そんな、誰にでも見やすく作られているところまで含めて、監督の意図通りなのだろう。「そう、これは銀幕の向こうの映画の世界です。だけど、実際に生きた人々の話なんです」と穏やかに語るような、優しさをこめて締めくくるエンディングに、胸がいっぱいになり涙があふれた。
fromNZ2.0@エヌゼット
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!