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自信のないOLが頭を打って超ポジティブな性格に生まれ変わる『アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング』がいよいよ劇場公開!

2018年12月27日

(C)2018 TBV PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

 

「自分が美女の姿に生まれ変わっている」と思い込んでしまうOLのおかしくも切ない日常を描いたコメディドラマ『アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング』が、12月28日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング』は、自分に自信がないぽっちゃり女子の主人公が、自信を得たことで輝きを増していく姿を描いたコメディドラマ。容姿にコンプレックスがあり、何事にも積極的になれないレネーは、ある日、自分を変えようと通い始めたジムでハプニングに見舞われ、頭を打って気を失ってしまう。目が覚めたレネーは、自分の見た目が絶世の美女になっていると思い込むようになり、性格も超ポジティブに。すっかり自信に満ち溢れた彼女は、仕事も恋も絶好調になるのだが……

 

本作は、『エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方』でゴールデングローブ賞最優秀主演女優賞(コメディ/ミュージカル部門)にノミネートされた人気コメディエンヌのエイミー・シューマーが主演、『25年目のキス』『そんな彼なら捨てちゃえば?』等を手がけてきた脚本家コンビのアビー・コーン&マーク・シルバースタインが長編初監督を務めた。

 

映画『アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング』は、12月28日(金)より、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田、なんばのなんばパークスシネマ、京都のMOVIX京都、神戸・三宮の神戸国際松竹など全国の劇場で公開。

え?こんな映画あったの?!あって良いの?!と叫んでしまうくらいに「その発想はなかった」系ユニークな自己肯定映画で新鮮。全ての自己を肯定できない人に見て欲しい。単純なサクセスストーリーかと思いきや全然違った。こんな展開ありなんだ?!と観た後清々しくなるほど脚本が面白く、2時間あっという間に過ぎていく。そして終盤になるにつれてレネーの自信に振り切れた姿を見られなくなると思うと惜しく感じるはずだ。

 

卑屈から自信に満ちたレネーを観て、欲しいものを素直に欲しがることは大切だと私達は気付かされるだろう。レネーのような自信を全面に出すことを恥じる内気な人達は私の周りをはじめこの国には多いと感じる。だからこそ、こういった自己肯定を全力に出していくような、お手本映画ってもっと沢山あれば。誰かが決めた「こうでなくちゃ美しくない」「ああでなくちゃ可愛くなれない」と呪われた人生はもう終わりにしてほしい。全ての「自分に自信が持てないけど自分なりに頑張っている」人たちへ、何も疑わずにこの映画をはやく観て!レネーと自分を応援して!

from君山

変身コメディの変則パターン?!

容姿に劣等感を持つ主人公がアクシデントをキッカケに美しく変身して起こる騒動を描くコメディ…と言われると何処かで聞いたことがあるようなストーリーかもしれない。ただ、本作の特殊な点は、主人公が実際に美しく変身するわけではなく「自分の容姿に対する自己認識だけが変わっていて、周囲からの見た目や評価は変わらない」という点にある。周囲との認識のギャップが実に滑稽で、自身をどのように認識しているか、イメージ映像さえ描かれない。観客も作中の人物同様に主人公に置いていかれてる感覚を味わされ、暴走の果てにある破局を予感させる緊張感のある作りにもなっている。

 

自信が生まれたことによる成功と傲慢からの失敗を描き出す

レネーは美しい容姿を手に入れた(と自分では思っている)ことで自信を手に入れ、仕事において次第に成功していく。一方で、劣等感の裏返しから、潜在的に抱えていた”上から目線”が次第に露わになり、プライベートでは傲慢な人間になり、とある失敗をする。成功も失敗も容姿には関係なく、積極的な他者へのアプローチに由来し、長所も短所もコインの裏表として描かれていく。

 

「見た目なんて気にせず生きたい」と「美しくなって調子こきたい!」

周囲の人間たちはレネーの姿を見るたびに顔をしかめ軽蔑の感情を隠さない不快な人物として描かれている。同時に、レネー自身も仕事や友人に自覚的、或いは、無自覚に低く見積もる傾向があり、褒められた人物とは言えない。本作はルッキズムに苦しめられた個人が本心ではルッキズムのコードに乗っかりたいと思いを危うさとして描いており、その描写がとてもステレオタイプに誇張されている。観ている間は、ゲラゲラ笑いながらも「これ笑っていいやつなのかな」とどこか居心地の悪さを覚えていく。しかし、それこそがこの映画の真骨頂。「見た目なんて気にせず生きたい」と「美しくなって調子こきたい!」という矛盾した2つの思いの狭間に、自分や他者の容姿への適温な向き合い方があると思わされた。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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