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難解な展開がありつつも大本はシンプル…『モダン・ラブ』福島拓哉監督を迎え舞台挨拶開催!

2018年12月8日

パラレルワールドを題材に、5年前に失踪した恋人を思うヒロインの孤独と葛藤を描き出す『モダン・ラブ』が12月8日(土)より大阪・九条のシネ・ヌーヴォで公開。初日には、福島拓哉監督を迎え、舞台挨拶が開催された。

 

映画『モダン・ラブ』は、『アワ・ブリーフ・エタニティ』が世界各地の映画祭で注目された福島拓哉監督によるSFラブストーリー。生命体の存在する新惑星エマノン発見のニュースで盛り上がる東京では、その一方で異常気象が頻発していた。旅行代理店でアルバイトしながら理論物理学を研究する大学院生ミカは、5年前に失踪した恋人テルのことを忘れられず、出会い系アプリで知り合った男で孤独を紛らわせながら、妄想でテルと会話する日々を送っている。そんなある日、ミカは発作的に既視感を覚えるようになり、「もう1人の自分」たちと出会う。それぞれのミカには、それぞれ異なる状況が存在していた。やがてミカは、人生を左右する選択を迫られ……

 

上映後に福島拓哉監督が登壇。客席の中には外国人のお客さんもちらほら見える程に注目の大阪公開初日となった。

 

先だって、本作は東京での公開はイベント上映も含め3回実施。その後、名古屋での上映を経て、本格的な地方でのロードショーが大阪・九条のシネ・ヌーヴォより開始となる。なお、東京公開前後では、海外の映画祭に招待を受けた。合計10ヶ国で上映され、7つの賞を受賞。若い頃に作品を撮り始めた福島監督は今年で18年目になるが、アマチュア時代に少しだけ賞を受賞しただけで、プロになってからは経験がなかった。本作で急に沢山貰い「何故だろう、と自分でもビックリしている」と漏らす。なお、7受賞のうち5つは日本映画としては初受賞であり「自分の中でも大きな財産」となった。学生時代には名古屋シネマテークでアルバイトを始めて以来25年も映画業界に携わっているが「日本映画界が知らない世界がまだまだ沢山ある、とこの半年で改めて学んだ。外国の映画祭や文化を日本に広めていくことが自分の責務」だと感じている。

 

テル役の高橋卓郎さんは、福島監督の映画に3本出演し、CMやWebドラマで常に関わってきた。福島監督も信頼している俳優だが「彼は僕と並ぶと似ていないが、映画に出ると僕に似ていると言われる」と明かす。この指摘について「僕みたいにしろとは1回も言っていない。彼も意識しているわけではない」とコメント。高橋さんについて「彼は憑依型であり、キャラクターにトランスする役者。全てのキャラクターに自分を投影して書いているが、彼が演じる役は特に濃い役を演じてもらう。結果的に、僕みたいな風貌になる」と捉えている。

 

稲村梓さんについて「若い頃から知っている。彼女の事務所主催のワークショップに呼ばれて出会った。当時は突出したものはなかったが、立ち姿が美しく、香港女優のような顔をしている」と感じていた。その後、稲村さんの動向を気にしており「演技が上手くなっていた。ワークショップ以降、努力されており、現在はフリーで活躍し東京の演劇界ではスター級」と評する。そこで「急成長した彼女に任せられる」と確信し、脚本が7割程度出来上がった段階で稲村さんにオファー。承諾してもらった後には「彼女で当て書きした。今作を託せる女優として、期待通りに演じてくれた」と満足している。本作は「難解な展開がありつつも大本はシンプルな映画」だと感じており、満を持して劇場公開に至った。

 

映画『モダン・ラブ』は、大阪・九条のシネ・ヌーヴォで公開中。また、2019年1月18日(金)からは、神戸・長田の神戸映画資料館でも公開予定。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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