王女と占い師の恋描く時代劇ラブコメディ『ときめき♥プリンセス婚活記』がいよいよ劇場公開!
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18世紀の朝鮮王朝を舞台に、国家的なプロジェクトと化してしまう王女の花婿選びの騒動を笑いと共に描く『ときめき♥プリンセス婚活記』が、12月8日(土)より公開される。
映画『ときめき♥プリンセス婚活記』は、結婚の相性を占うカリスマ占い師と王女の恋愛模様を描いた、韓国の時代劇ラブコメディ。朝鮮王朝・英祖29年(1753年)、記録的な干ばつによって作物が不足し、民衆は飢えに苦しんでいた。あらゆる手段を尽くしたが雨に恵まれず、困り果てた王は、陰陽の均衡の崩れを元通りにするため、王女ソンファに最高の相性を持つ花婿を迎え入れ、婚礼の儀を執り行うことを決断。ふさわしい相手を見つけようと、カリスマ的な占い師のソ・ドユンを抜擢し、占いによって国中から花婿候補が集められる。一方、見ず知らずの相手と結婚する気はないソンファは、花婿候補の男たちの素性を知るため、宮中を抜け出して町へ出るのだが……
本作では、『新感染 ファイナル・エクスプレス』『怪しい彼女』『サニー 永遠の仲間たち』などヒット作に多数出演するシム・ウンギョンと、ドラマ『華麗なる遺産』などで人気のイ・スンギがW主演を務めた。さらに、ドラマ『星から来たあなた』のヨン・ウジン、CNBLUEのカン・ミンヒョクらが出演する。
映画『ときめき♥プリンセス婚活記』は、12月8日(土)より、大阪・心斎橋のシネマート心斎橋で公開。また、2019年1月5日(土)より、神戸・元町の元町映画館でも公開予定。
可愛らしいタイトルから、おてんばお姫様のドタバタコメディを想像するが、予想とは違った方向に見ごたえのある韓国時代劇。邦題を命名したファインプレーに拍手を送りたい。原題は、直訳すると「相性」や「適合性」。主人公の彼女はとある悲しい体験のためか、よくある高飛車で自己中なお嬢様ではなく、とても健気でチャーミング。時代劇の主人公ではなく、お見合い話に心揺れる現代の友人のように見守ってしまう。
占い師や祈祷師が重要になる韓国映画はこれまでにも何作もあったが、国家の命運を左右する一大事を一人の人間の婚礼に背負わせ、それを決めるのは一人の占い師。易学をここまで中心に取り上げるストーリーは珍しい。ラブコメも、宮中の陰謀劇も、様々なタイプのイケメンのビジュアルも楽しめる。タイトルから軽めな印象を受けた人にほど、この「ときプリ」を観てみていただきたい。
fromNZ2.0@エヌゼット
「プリンセス」とは一体どのような人を指すだろう。優しく美しく、皆から愛される…が従来のイメージ。少なくとも、鳥の被り物を装っていきなりキスをするような女性にあらず。しかし、本作では、プリンセスらしからぬ王女様がおもしろい。仮の姿で自らの婿候補を偵察しながら出会った人々と交流していくが、彼女は貧しさや欲望という国民の裏側に触れる。しかし、おかまいなしに奮闘し、さらには周囲の人々を変えていく。その姿は可愛らしく、観ていて心地良さを感じた。今まで経験したことがない状況に遭遇しても、人々を変えていく力があったのは、やはり幼い頃の境遇が大きく関わっている。国災の原因とされ、不当な扱いを受けているにも関わらず、自ら受け止め、可能な限り立ち向かう(時には、銀杏のお風呂に入ったり、逆さで宙吊りになったり…)。プリンセスらしさが欠けるところはあるかもしれない。だが、人間として大切な芯の強さを感じた。身分や境遇に関係なく、過酷な状況を耐え抜いてきた強さがある。コメディタッチで描かれているので、ふとした時に垣間見える強さが際立つ。
周囲を固めるキャラクターも王女様に負けじと個性が爆発している。腕利きでイケメン(重要)だが王女とは何かと反りが合わない占い師、同じく占い師だが金儲けのためにインチキをする男(オジサン)、彼女との結婚に野望を抱く男(イケメン)、イケメン占い師の目の見えない弟(これまたイケメン)等、個性的なキャラクターが満載。簡潔なストーリーによって、1700年代を舞台としていることが全く気にならない。人との関わり合いって良いなあ、と素直に感じられる映画であった。
fromマツコ
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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