Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

  • facebook

ゴッホに人生を捧げた中国の複製画家を追うドキュメンタリー『世界で一番ゴッホを描いた男』がいよいよ関西の劇場で公開!

2018年10月26日

(C)Century Image Media (China)

 

孤高の画家ゴッホに魅せられ、ゴッホに人生を捧げた男に迫るドキュメンタリー『世界で一番ゴッホを描いた男』が関西の劇場で10月27日(土)より公開される。

 

映画『世界で一番ゴッホを描いた男』は、中国・深セン市近郊の町でフィンセント・ファン・ゴッホの複製画を描き続けている男が「本物のゴッホの絵を見る」という夢を実現するため、アムステルダムを訪れるまでを描いたドキュメンタリー。中国・深セン市近郊にある「大芬(ダーフェン)油画村」。ここでは世界の有名画家の複製画制作が産業として根付いており、世界市場の6割ものレプリカがこの地で制作されていると言われている。出稼ぎでこの町に来たチャオ・シャオヨンは独学で油絵を学び、ゴッホの複製画を20年間も描き続けている。そんなシャオヨンは、いつからか本物のゴッホの絵画を見たいという夢を抱いていた。ゴッホが実際に描いた絵を自身の目で見てゴッホの心に触れ、何か気づきを得たいという思いは日増しに強くなり、その夢を実現するため、シャオヨンはゴッホ美術館があるアムステルダムの地を訪れるのだが……

 

本作は、ユイ・ハイボーとキキ・ティンチー・ユイの父娘による監督で作られた。大芬を初めて訪れた際、手作業で描かれる絵画の量に圧倒されながら、地方から都市への人口流入による1つの変化としてカメラに収めている。

 

映画『世界で一番ゴッホを描いた男』は、10月27日(土)より、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田、京都・烏丸の京都シネマで公開。また、神戸・元町の元町映画館でも近日公開予定。

複製画という世界市場があることを改めて知った。少しでも絵画を描く能力を持っているならば、過酷な労働を以てひたすら名画を書かされる。好きの搾取が行き過ぎた結果の成れの果てに、このような過酷な労働現場を作り上げていった。現代の世界経済における中国社会がもたらした現実の象徴と捉えた映像には圧倒されてしまう。

本作で中心となったシャオヨンは、念願の夢だった本物のゴッホの絵画を見ることで、どのように変化していくのか。カメラはシャオヨンに向き合い、心象風景を捉えていく。自身は芸術家なのか、労働者なのか。改めて自分は何がやりたいか、見つめ直していった。かの有名な芸術家が死後に世界に認められていったように、シャオヨンが今後どのようになっていくのか、その行く末が気になってしまう。アートを通して世界の一片を垣間見れる一作となっている。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

Popular Posts