Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

  • facebook

どんな役でも人生を背負い演じ切る!『わたしに××しなさい!』公開!小関裕太さんに聞く!

2018年6月24日

熱狂的な人気を誇る遠山えまの同名漫画を映画化した恋愛ドラマ『わたしに××しなさい!』が関西含め全国の劇場で6月23日(土)より公開中。公開を迎えた今回、W主演の一人、小関裕太さんにインタビューを行った。

 

映画『わたしに××しなさい!』は、恋愛小説のネタを探す主人公と学園一のモテ男の関係を描くラブストーリー。人気ケータイ小説家で女子高生の雪菜は、学園で一番の色男、時雨のある秘密を握る。それをネタに時雨を脅迫した雪菜は、彼を疑似恋愛相手にさせ「わたしに××しなさい」と無茶なミッションを次々と課す。その度に困惑する時雨に彼女はいつしか心惹かれ始める…監督は『グッモーエビアン!』の山本透。『PとJK』『暗黒女子』など出演作が相次ぐ玉城ティナさんと『覆面系ノイズ』『曇天に笑う』等に出演の小関裕太さんがW主演を務めた。

 

今作で初めてSキャラ男子を演じた小関さん。自身の中にそのキャラクター要素がないとは思わなかったが、山本監督の振る舞いから演技を培った。監督の所作に対し「口調の強さではなく、醸し出す雰囲気にSキャラがある。自分に取り入れてみたい気持ちで現場に挑み、新しい自分を知った」と真摯に話す。初めて表現する台詞もあり「やりすぎるとヤンキー口調になってしまう。人によって感じ方も違う。手探り状態でも、監督の意見を信じ演じていた」と芝居の難しさを振り返った。

 

本作は個性の強いキャラクターが多く登場する。時雨に対し激しい敵対心を持つ異母兄弟の氷雨が実際にいた場合、小関さんは「キツいなぁ…さら~っと流すかもしれない」と漏らしながらも「付き合いが自然と無くなる可能性がある。旅行先等の食事で不満を言い、周りにも影響を与える」と想像する。それでも「ハートフルになってほしい」と諦めない。自分の殻に閉じ籠る雪菜のような女子について「いた!中学生の時に雪菜みたいな人がいました!」とハッと思い出す。その女の子について「人間として凄い好き。とても気になる」と懐かしんだ。心が開けた瞬間は凄く嬉しく「絶対開かないような扉を開け、本心を打ち明けてくれた。少しでも笑顔が見えると、物凄い喜びを感じる」と、人と交わる瞬間の喜びを表す。自身が演じた時雨が実際に存在したら「表の顏を見せていると感づく」と直感し「表も裏も含めて彼自身であり、居心地が一番良い状態」だと捉える。自身について「二面性を持っている。特に学生時代は、先生や周りの大人、同級生や妹などの年下の世代に合わせて、話の口調も変えていた。小学生の頃から芸能活動をしているので、敬語やタメ口、相手への踏み込み方等、相手のプライドを傷つけないように考えながら過ごしていた」と明かす。どのキャラクターに対しても「共感する。どれもその人自身で嫌いではないが、本心を見せてほしい」と思いを寄せる。

 

今作には、印象的なシーンがあり、小関さんも「監督の拘りが強かった」と撮影の大変さを思い返す。通常の台本では、1シーンに対し0.5ページの程度だが、今回は4ページもあり「カット数も多かった。1シーンがとにかく長かった」と打ち明けた。苦労を経て完成した作品について、特にお気に入りのシーンとして”首筋を噛みなさい”シーンを挙げる。滅多にないシチュエーションだが「どうすれば時雨君として受け入れられるか」と演技も入念に。演じてみて「雪菜に接近して首筋を噛んでいるので、時雨君の中で固く閉ざしていた心の扉が解けていく瞬間でした。映画の中で大きな影響を与えている」と受けとめた。本作の前日譚であるTVドラマでは、映画のポスターにもなったロッカー内での密着シーンがある。OA時に客観的に見たが、その台詞に「うあぁ!」と唸り「男としてもドキッとするような状況。密着せざるを得ないシチュエーションを学生がリアルにやっていたら凄い」と想像してしまう。学生時代は芸能活動に多忙で恋愛経験がなかったと告白し「男のロマン!ドキドキする。少女漫画が原作の映画だから許されるシーン。観ていて楽しい」と醍醐味を語る。

 

小関さんは、これまでも数々の作品に主演してきた。初主演作となった『あしたになれば。』は、大阪府南河内で撮られており、関西にも所縁がある。共演した葉山奨之さんとの出会いを大切にしており「僕と全く違う性格を持っている。作品への挑み方や台詞の覚え方、纏った雰囲気が大きかった」と敬意を表す。初主演から4年を経過し「自分が信じているものや知っている言葉、自分を奮い立たせるシチュエーションを沢山持った。自信を持って立てるようになった」と振り返る。事務所の先輩である三浦春馬さんや佐藤健さん等、主演を務めている方達の話を聞き「主演であっても役を演じることに変わらない。同じ人間だから、どんなに小さな役でも、その人生を背負う。スクリーンの中で活きることは本当に大変」だと痛感した。

 

次作『春待つ僕ら』では、土屋太鳳さん演じる主人公の幼なじみで、アメリカ帰りの有名高校バスケットボール選手を演じる。『わたしに××しなさい!』とは全く違う役だが「アメリカに行っていたというシチュエーションを演じるにあたり、感覚が変わってくる。主人公のお兄さん的存在であり、綺麗な美少年役」だと説明。また、7月15日(日)から放送の日本テレビ系ドラマ『ゼロ 一獲千金ゲーム』にも出演していく。今後の小関さんは、脚本家の坂元裕二さんが手掛けた作品への出演を熱望している。これまでに坂本さんが手掛けた『おやじの背中』 第2話「ウエディング・マッチ」で一度だけ坂元さんの作品に出演しており「オファーに対し、全力で挑む」と意気込む。他にも岩井俊二監督の作品に出演したく「様々な役をやってみたい。脚本を読み、どういう人間として生きたいんだろう、と考えていきたい」と未来に目を輝かせている。

 

映画『わたしに××しなさい!』は、6月23日(土)より東京・新宿の新宿バルト9や大阪・梅田の梅田ブルク7ほか全国公開中。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

Popular Posts