”コロッケ”を捨てることが役作り!本名の滝川広志名義で映画初主演!『ゆずりは』あべのアポロシネマで舞台挨拶開催!
モノマネ芸人のコロッケが本名の滝川広志名義で映画初主演を務め、葬儀社のベテラン社員とイマドキ新入社員のコンビが、遺族たちとの交流を通して生と死に向き合う様を描く『ゆずりは』が6月16日(土)より全国の劇場で公開。6月17日(日)には、大阪・阿倍野のあべのアポロシネマで滝川広志(コロッケ) さん、柾木玲弥さん、大和田紗希さん、加門幾生監督を迎えて舞台挨拶が開催された。
映画『ゆずりは』は、新谷亜貴子の同名小説を原作に、命の尊さと大切な人への思いを描くヒューマンドラマ。葬儀社のベテラン社員・水島は長年「死」と向き合う仕事を続ける中で、感情の起伏がなくなってしまった。水島が教育係を務めることとなった新入社員の高梨は、イマドキな外見で言葉づかいもひどいが、時には葬儀社のルールを破ってでも遺族の思いに寄り添おうとする、感受性豊かな心のやさしい青年だった。そんな高梨とともに亡き人々と遺族たちとの交流を続ける中で、水島の心にある変化が起きていく…
上映後、出演の大和田紗希さんによる司会にて、滝川広志(コロッケ) さん、柾木玲弥さん、加門幾生監督が登壇。大和田さんは、滝川さんに、美川憲一さん、松山千春さん、志村けんのモノマネを盛り上がりながら、上映後のシアター内にあったしんみりムードを温めていく。
滝川さんは、改めて自己紹介を行い「今観て頂いた通り、コロッケはどこにもいなかったと思います。余計なことに命を懸けてきた私が『余計なことを一切やるんじゃない』と監督に云われ、自分なりに一生懸命に演じさせて頂きました」と感謝の気持ちを伝える。柾木さんは福山雅治さんのモノマネという無茶振りを受けながら「滝川さんの次に挨拶するのは嫌なんですが…一通り盛り上がるので、俺も何か言おうと思うと震えが止まらず真っ直ぐに立てない」と困惑しつつも、滝川さんとの共演を楽しんだことを懐かしむ。これを受け、滝川さんは「彼は人見知りなんですよ。芝居や食事以外では真正面から観たことない。役柄を踏まえ、私も親しく関わらないようにして、お互いに距離を置いた」と明かす。加門監督は「多くの方に来て頂いて嬉しい限り。昨日は都内の映画館で挨拶したが、大阪は違った雰囲気がある。温かく、拍手に漲るパワーがある。多くの方に観て頂いて、やってよかった」と感激している。
本作を撮るにあたり、加門監督はワークショップや役柄の理解等の準備に時間をかけた。大和田さんは葬儀屋で1年間のアルバイトを経験しており「原作が大好きだったので、頑張りました」と回想する。滝川さんの場合は「コロッケを捨てることが役作り。ちょっとした動きでも笑わせてしまうので、動きをそぎ落とした」と述べ、呼ばれて振り向く時に余計な動きをしない演技を比較しながら、実際に振舞った。これまで38年間もモノマネ芸人として活動してきたが「余計なことをやるなと言われた時、頭の中が一瞬パニックになる。動くなと言われているようなもの。撮影序盤では、監督も我慢していたが、あげく返事もしてくれなかった」と告白する。映画の依頼が来た時は、ドッキリだと思ったが「衣装合わせの段階で誰も現れなかった。ホントなんだ。それ以来、緊張が凄かった。台詞を覚えたり、台詞がない時の表情を考えたりした」と必死になった。加門監督としては「台詞を喋ってほしくなかった。台詞を体に取り込んで、自分のものにして言霊にしてほしかった。それが主人公の言葉になる。お客さんにも分かって頂けた」と納得の面持ち。
最後に、滝川さんから「この映画は、流行等関係なく観て頂きたい映画としてぜひ伝えて頂ければ。これから先も皆さん喜んで頂けるように、コロッケ、そして、滝川広志として皆さんの前にお目見えする日もあると思いますので頑張りたいと思います」と述べ、感謝の気持ちを伝えながら、舞台挨拶は締め括られた。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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