監督自身の表現との格闘が主人公に反映された…!『ANIMAを撃て!』いよいよ大阪で公開!堀江貴大監督に聞く!
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バレエに疑問を感じ始めたダンサーが夢を諦めた元ドラマーと出会いコンテンポラリーダンスに目覚めていく様を描いた映画『ANIMAを撃て!』が5月5日(土・祝)より大阪・十三の第七藝術劇場で公開。今回、大阪での公開タイミングに本作を手掛けた堀江貴大監督にインタビューを行った。
映画『ANIMAを撃て!』は、夢に迷うダンサーが夢を諦めたドラマーと出会い、本当の自分を見つけ出していく様を描く青春映画。ダンサーとして将来を期待され、留学支援の試験に臨む果穂は、自分がクラシックなダンスを踊ることに疑問を感じるようになっていた。そんな果穂の耳に飛び込んできたのは、ホールの倉庫から聞こえてくるホール職員で元ドラマーの伊藤が奏でるリズミカルなドラムの音色だった。伊藤は試験直前にトウシューズを脱ぎ自由に舞い踊る果穂の姿を目にして、自身の音楽への情熱を取り戻していた。そして果穂も伊藤が叩くドラムの前ではありのままの自分を表現したダンスを自由に踊っていることに気づき……
堀江監督は、前作『いたくても いたくても』は通販番組×プロレス、今作ではコンテンポラリーダンス×ドラム、と多様な組み合わせを題材にしてきた。この組み合わせの発案について「何かと何かを掛け合わす際には、そこに共通する何かを見出す」ことを大事にしている。本作では「最初にコンテンポラリーダンスがあり、そこに更にもうひとつの要素として音楽を掛け合わせよう」と思いついた。どういった楽器がいいだろうか、と突き詰め「ドラムという身体的な動きが大きい楽器を選んだ。ドラムを叩くさまはダンスでもある」と確信する。
脚本を執筆しているなかで、堀江監督は「偶然にもダンスとドラムのユニットで作品作りをしている北川結さん(本作振り付けも担当)と守道健太郎さん(本作ドラム作曲も担当)のお二人にお会いできたこと」が本作を形作る重要な出来ことになった。二人に振り付けとドラム作曲を担って頂くことになり「ダンサーとドラマーがどのように作品を作っていくか理解できた」と本作に影響を与える。最初の企画は中編映画だったが、2ヶ月で長編映画の脚本にしていく作業に苦労しながらも「ただ長くすれば良いだけではない。もう一度ゼロから脚本を書き、僕自身が表現することに格闘した時間が、主人公の果穂というキャラクターに反映された」と思い返す。
なお、堀江監督は、自身の作品を手掛けながら、メイキングや助監督として他作品にも関わっている。作品に携わりながら「他の監督の演出を見るのはとても面白いですし勉強になります。メイキングは一歩引いて見れますが、助監督をやっている時は目の前の事に一杯一杯で中々引いては見れてませんが…」と苦笑いしながらも「監督がどういうところを見ているか。どういうものを求めているか。それは監督によって全然違うので、意識している」と目を輝かせている。
今後の作品の関して「以前よりずっとスポーツもので撮りたいと思っている長編映画があります。それもやはり何かと何かの掛け合わせがあります」と明かす。また、全く異なる意欲として「ある1日の出来事を描いた映画を作りたいと思っています」と告白。これまでのプロレスやダンス等のアクションを主題にして映画ではなく「日常生活の中にあるアクションをじっくりと見つめる映画を撮りたい」と見据えている。
映画『ANIMAを撃て!』は、5月5日(土・祝)から大阪・十三の第七藝術劇場で公開。公開初日には堀江貴大 監督を迎えて舞台挨拶を開催する。また、京都・出町柳の出町座でも公開予定。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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