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説得力があり、映画館で観てほしい作品!!『私は絶対許さない』いよいよ関西の劇場で公開!主演の西川可奈子さんが込めた想い

2018年4月25日

15歳で集団レイプの被害に遭い、加害者たちへの復讐を胸に生きてきた雪村葉子さんによる手記を映画化『私は絶対許さない』が4月28日(土)よりいよいよ関西の劇場で公開。今回、大阪での公開タイミングに主演の西川可奈子さんにインタビューを行った。

 

映画『私は絶対許さない』は、15歳で性的集団暴行の被害に遭い、加害者の男たちへの復讐だけを胸に生きてきたという雪村葉子によるセンセーショナルな手記を映画化。東北地方の田舎でごく普通に暮らしていた中学3年生の葉子。そんな彼女の平凡な日々が若い男達に無理やり輪姦されたことで崩壊する。ひょんなことから出会ったレイプ犯の1人の養父と援助交際の契約を交わした葉子は、地獄からの脱出、そして男たちへの復讐のためにひたすら金を貯め続ける。高校を卒業し、東京へと向かった葉子は全身整形を施し、昼間は真面目な学生、夜は学費や生活費を稼ぐために風俗で働くという生活をスタートさせるが……

 

本作の内容を知った西川さんは「実話であってほしくない」と衝撃だった。だが、伝えたい思いが込められていると感じ「実際の事件について、女性の立場から、作品を通して世に伝えていける機会はない。私が主演となる機会はこの先にないかもしれない。やるなら覚悟を決めて挑みたい」と思い、オーディションを受けた。とはいえ、どのように映されるか不安があり「人に体を見せることに慣れていないが、役を演じることに抵抗はなかった。どのような画になって上映されるのかは未知の世界だった」と告白。それでも「いざ、やるとなったら躊躇していられない。お願いします」と意気込んだ。

 

本作は、主人公の主観撮影であるため「カメラマンと一緒に動く形式。小型カメラが常に顔の前にあり、私の目になる」と説明。相手を映し出すために「念入りな打ち合わせがなければ一心同体にならず、演技が反映されない。カメラマンも一緒に演技に合わせて動く」と求められる。西川さんも撮影監督の高間さんにとっても初めての試みであり「皆で調整しながら撮影に挑んだ。二人三脚で常に一緒に動いていた」と新たな挑戦となった。衝撃的な映像となった本作について「リアルな距離感で映し出されており、体験型になっている。映画館で観た時、もう一度、雪村さん本人になってしまった」実感。テーマが重いために「映画館に行こうという気持ちにならないかもしれない。だが、これは映画館で観て頂きたい」と思いを込める。

 

西川さんは、今作では多くのベテラン俳優の方々と共演。援助交際相手を演じた隆大介さんについて「会った瞬間から自然とセリフ合わせ等をしていた。共演シーンに関するディスカッションを大事に行い、積極的に時間を設けて頂いたので助かった」と振り返る。強烈な母親を演じた美保純さんについては「演じた母親とはは真反対の気さくな方。この方がこのような母親役を演じるのか…」と驚いた。祖母役の白川和子さんについても「凄く優しく、協力的で応援して頂いた」と感謝している。なお、美保さんも白川さんも日活ロマンポルノで活躍された女優であり、「ロマンポルノ・リブート」の一作である『ホワイトリリー』に出演している西川さんは、共演について運命を感じた。主人公の上京後を演じた平塚さんとは「同じ役を演じるにあたり、意気込みや映画を成功させたい思いは同じ。雪村さんから聞いたことに対して、忠実に思いを描きたかった」共通の思いがある。撮影が始まる前から出来る限りしぐさや共通点を見出していった。

 

原作者の雪村葉子さんと実際にお会いした西川さんは「気さくな方で本人とは思えなかった。私達の質問も快く冗談交じりに応えてくれた」と振り返る。作品のためだと思い「ここまで聞いてもいいかなというレベルまで質問した。当時の思いも聞いたが、事件のことは半分ぐらいは記憶がない。復讐心は消えず、今も葛藤の中で強く生きている」と伺った。本作を通じ「一度被害に遭った人は人格も一回断絶され、もう一人の自分になる。そこから生まれた思いや精神は経験しないと理解できない部分があるが、この作品は今こそ発信していかなければならない」と決意。和田秀樹監督に対し「本業が精神科医であるからこそ説得力がある。普通の監督が撮ったらコンセプトだけになってしまうかもしれない。気持ちを汲んで、こういう描き方をされている」と受けとめ信頼を寄せている。

 

映画『私は絶対許さない』は、4月28日(土)から大阪・十三の第七藝術劇場で公開。公開初日には主演の平塚千瑛さんと西川可奈子さん、和田秀樹監督を迎えて上映前に舞台挨拶を開催する。また、京都・出町柳の出町座で6月公開予定。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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