絶対に伝えていかなければならない!!『私は絶対許さない』いよいよ関西の劇場で公開!映画初主演の平塚千瑛さんが込めた想い
15歳で集団レイプの被害に遭い、加害者たちへの復讐を胸に生きてきた雪村葉子さんによる手記を映画化『私は絶対許さない』が4月28日(土)よりいよいよ関西の劇場で公開。今回、大阪での公開タイミングに主演の平塚千瑛さんにインタビューを行った。
映画『私は絶対許さない』は、15歳で性的集団暴行の被害に遭い、加害者の男たちへの復讐だけを胸に生きてきたという雪村葉子によるセンセーショナルな手記を映画化。東北地方の田舎でごく普通に暮らしていた中学3年生の葉子。そんな彼女の平凡な日々が若い男達に無理やり輪姦されたことで崩壊する。ひょんなことから出会ったレイプ犯の1人の養父と援助交際の契約を交わした葉子は、地獄からの脱出、そして男たちへの復讐のためにひたすら金を貯め続ける。高校を卒業し、東京へと向かった葉子は全身整形を施し、昼間は真面目な学生、夜は学費や生活費を稼ぐために風俗で働くという生活をスタートさせるが……
平塚さんは、「ミス・アース・ジャパン」ファイナリストになる等のモデルとして輝かしい実績があり、初写真集の出版時には各メディアが取り上げた。その際に本作制作スタッフの目に留まり、オーディションのオファーを請ける。雪村葉子さんの実話を映画化すると聞き「ぜひ私にできることがあれば」と応えたが、オーディション後に原作を読み「絶対に伝えていかなければならない問題。強く生きていく雪村葉子さんに共感したので、ぜひ!」と出演を決意した。
原作者の雪村葉子さんについて、平塚さんは「性犯罪を受けた方はどうしてもトラウマで男性に触れられない。雪村さんは真逆を突き進んでいる」と感じた。雪村さんが持つ強さについて「女性なら子供を産んで守るべきものが出来た時、底知れぬ強さが出てくる。雪村さんに母性があったかは分からないが、根本的に自分を守っていかなければいけない強さが人一倍あったかな」と受けとめる。クランクイン前や撮影中には雪村さんがしばしば足を運んでいた。平塚さんも雪村さんと話したが、なんでも聞いていいよ、と言われたが「どこから聞いていいのか。傷を抉り思い出させてしまわないかと思いながらも、当時の心情等について聞きました」と回想する。事件当時の記憶が途切れ途切れだと聞いたが「あっけらかんとしている方。性犯罪の被害に遭われた方なのかなと思わせてくれるぐらいカラッとしている。どこかミステリアスで、男性を惹き付ける別の魅力がある。見とれしまうほど美しい方」と表現し、話を聞き役作りに反映していった。
本作は、主人公の主観撮影であるため「常に私と共演者との間にカメラがあり、相手は全てカメラ目線」と解説。現場では「撮影監督の高間さんがずっと隣に居てくださり、二人三脚という言葉がピッタリ合う」と初めての主観撮影を振り返る。演技について入念な打ち合わせを行い「ヘアメイクや衣装も用意して頂いたが、映らない機会が多い。高間さんが少しでも衣装が映るように工夫して頂いた。無名の新人である私に対し、毎回ネイルを変えるほどスタッフ全員に盛り上げて頂いた」と感謝しており「本作を全力でやらなきゃ」と撮影に挑んだ。
初めての本格的な映画出演となり、平塚さんは共演者の方々に大変感謝している。隆大介さんとよく話し「無名の新人である私に優しく話してくださった」と振り返り、その演技について「迫力があり、周りを巻き込む演技力や存在感に圧倒されました。これが演じるということなのかと勉強にりなした」と述べ、「私もこんな演技をしたい。背中を追っていきたい」と鏡になった。本作では一番の共演相手となった佐野史郎さんについて「役を作り込んでくださった。今回の役柄が難しいと仰りながら『ギリギリまでやらせてください』と、その熱量に身を委ねる形で共演させて頂いた」と振り返る。現場では「『頼ってきていいよ、緊張しなくていいよ、好きにやればいいんだよ』と言われ、気持ちが楽になりました。一番頼りになりました」と感謝しきれない。また、ベテラン俳優の川瀬陽太さんとのシーンについて「クランクイン後の序盤に共演シーンを撮った。初めて絡む演技だったが、カットがかかってから震えが止まらず泣いてしまった」と告白。現場では「経験豊かな川瀬さんが、コミュニケーションを積極的にとり、『怖くないよ』と優しく教えてくれた。その後、仲良くなって挑めたシーンとなり、印象が強い。触れられることが怖かったことを変えてくれた一人」と感謝している。本作の撮影について「共演者の方々に支えて頂いた。一人一人の俳優の実力があったから撮れた作品。それに参加して出来ることを挑んだ」と振り返り「雪村さんのOKを頂いたら大丈夫」だと信じて演じ切った。
作品が完成した現在、平塚さんは「出演して良かった。これが私の初作品。初めて演技に向き合った」と打ち明ける。撮影後、いくつもの舞台にも出演してきたが「もっと表現できたんじゃないか。あの時にこう表現すれば良かった」と悔しさが残った。精一杯に雪村葉子を演じ「支えてくださった俳優・スタッフ・監督に感謝しかない」と思いを込める。今後について「社会派作品にも出演したいし、実話を映画で表現する作品もやっていきたい。コメディも大好きなので、本作とは全く違う私を表現したい。精一杯演じていきたい」と意気込む。
映画『私は絶対許さない』は、4月28日(土)から大阪・十三の第七藝術劇場で公開。公開初日には主演の平塚千瑛さんと西川可奈子さん、和田秀樹監督を迎えて上映前に舞台挨拶を開催する。また、京都・出町柳の出町座で6月公開予定。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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