『ろくでなし』シアターセブンで大阪2度目の上映開始!ヒロイン遠藤祐美さん迎え舞台挨拶開催!
渋谷の街で男たちが暴走、孤独と欲望描く奥田庸介監督の新作『ろくでなし』、大阪では2度目の上映として9月9日(土)より大阪・十三のシアターセブンでの公開を開始した。初日にはヒロインの遠藤祐美さんを迎えて舞台挨拶が行われた。
映画『ろくでなし』は、大都会の片隅で追い詰められ暴走していく、ろくでなしな男たちの人間模様を描いたドラマ。凶暴な男である一真は渋谷の街で出会った優子に一方的に運命を感じ、彼女の働くダンスクラブの用心棒になる。クラブのオーナー・遠山の「仕事」を手伝っているヤクザのひろしは、これまで裏社会で飄々と生きてきたが、一真と行動を共にするうちに次第にシンパシーを抱く。ある日、優子の父親が多額の借金を残して急死してしまう。金銭的に追い詰められた優子に、クラブオーナーとは別の顔を持つ遠山が急接近。一真はそんな優子の事情を知り、ある決意をする…
上映後、遠藤祐美さんが登壇。遠藤さんは「奥田監督も大西さんも渋川さんもいない1人の舞台挨拶は初めてなので宜しくお願いします」と緊張の面持ちの中で舞台挨拶が始まった。
遠藤さんが大阪に来たのは今回が2回目。「関西だと京都は何度か来たことがある。大阪は3年前に友達と食い倒れツアーをして、朝から串カツを3軒ぐらい回ったり新世界を巡ったり。ひたすら食べて呑んでいた」と思い出す。十三に初めて訪れ「駅を出て呑み屋さんが連なっていて凄い興奮した。呑み屋好きなので、今日これから何処へ行こうか」と楽しそうだ。
遠藤さんは本作にオーディションを受け出演が決まった。その経緯について、遠藤さんは「元々、シネマインパクトというワークショップで、本作プロデューサー山本政志さんのクラスだけを受講していた。ワークショップ終了後、映画を作る奥田監督のクラスは決まっていない役があり、山本さんから、『1回会わせるから』と言われ、実際に会って演技を見てもらい出演が決まった」と明かす。だが、遠藤さん自身は、どういう役をやるのか聞かされておらず、台本が届き読んで驚いたことを告白する。遠藤さんが演じた役は、一般人にも見えつつも、時折見せる表情が何を考えているのかわからないように映る。どこか掴めないキャラクターについて「わかりやすいキャラクターではない。監督からも撮影前に『演じる優子は複雑で難しい人なんですよ』と言われた。監督も優子の気持ちを全部分かった上で書いたのではない。私がやるのならどう演じるかを考えて演じた」と話す。実際に優子を演じ「視点が違えば、様々な方が感情移入できる役かもしれない。私も普段から喜怒哀楽が激しい訳ではないが、思ったことや感じていることを簡単に見せてはいない」と自身を分析する。
撮影中の奥田監督について、遠藤さんは「奥田さんは内気で繊細な方。身体を鍛えているが、自分の弱さを他のところで克服したように感じる。監督した映画を観ていても性格が出ている」と感じた。とはいえ「ストイックな気持ちがある。画は、カメラマンと相談しながら決断している。決めきっている方ではない」と思っている。大西さんについては「照れ屋で可愛い方。尊敬する先輩ですが凄く優しく、撮影前も撮影中もよく呑みに連れていってくれた。呑みに行っても役や撮影の話をするわけでもなく、同等に一緒にお酒を呑んでくれて、酔っ払って何軒もハシゴして帰ることをたくさんした」と振り返る。遠藤さん自身も人見知りがちでお酒があると助かり「記憶が無くなる程呑むことがあるが、次の日は人見知りから始まる。それでも少しずつ仲良くなっていった」ことで最後まで演じられた。渋川さんは「現場では数日ご一緒したが、2シーン程度しか絡んでいない。大西さんと違うタイプ」だとみている。大西さんは考えて気を遣ってくれる方だと捉えているが「渋川さんは自然体で相手が楽になれる。気取らない格好良さがある」と讃える。
最後に、遠藤さんは「今回が『ろくでなし』の大阪で最後の上映になるかもしれない。4月から公開し各地で上映させて頂いた。私はいろんな所へ行けなかったが、様々な声が届いた。多くの映画に出演しているわけではないので、初めての経験沢山あり良い経験をさせてもらった」と語り、感慨深い。本作に出演し「これから女優の仕事をやっていく上で、今回の映画でやったことが今の自分の全部なんだと認め、次に繋げていこうと思える大事な作品。多くの方に観て頂けると嬉しい」と感謝を述べ、舞台挨拶は締め括られた。
映画『ろくでなし』は、大阪・十三のシアターセブンで9月9日(土)から9月22日(金)まで公開。9月9日(土)から9月15日(金)までは19時50分~、9月16日(土)から9月19日(火)までは16時25分~、9月20日(水)から9月22日(金)までは14時~の上映にて、一般1,700円専門・大学生1,200円シニア1,100円中学生・高校生1,000円小学生以下700円シアターセブン会員1,000円となっている。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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