映画を遊ぼう!楽しもう!キネマ自身2017年・春号~関西元気化計画~シアターセブンで開催!
大阪・十三のシアターセブンで4月8日(土)に春の新作映画の紹介を中心に特別ゲストトークやプレゼント大会が繰り広げられるイベント「映画を遊ぼう!楽しもう!キネマ自身2017年・春号~関西元気化計画~」が開催された。
「映画を遊ぼう!楽しもう!キネマ自身2017年・春号~関西元気化計画~」は夢人塔代表でSF作家クラブ会員の浅尾典彦さんとグッドスピード代表の藤井大介さん司会による映画トークイベント。毎回旬の映画紹介と特別ゲストとのトーク、映画グッズのプレゼントが行われている。
イベントに先立ち、浅尾さんと藤井さんにインタビューを行った。イベント開催のきっかけについて、浅尾さんは「映画を好きだとアピールしたいということの延長線上だ」と話す。浅尾さんは「子供の頃は、”この夏オススメ映画”30本を90分で特集する番組がTV放送されており、番組を観て、夏休みの予定を立てていた。」と昔を振り返る。「番組がなくなり、特集する雑誌もなくなってきたので、僕らがそんなイベントをやろう」ときっかけを明かす。浅尾さんは、映画マニアに訴えるべく、「映画総合案内所」と命名し開催。その後に、女性も参加して頂けるイベントにするべく現在の「キネマ自身」へと進化した。会場は一番最初にCROSS BEAT hommachで開催。以降、神戸元町映画館2F、兵庫県伊丹市のクロスエム、大阪のロフトプラスワンウエストでも開催。現在は、映画の中心地である十三・シアターセブンでの開催に落ち着いている。
「キネマ自身」では、毎回たくさんの作品を紹介している。浅尾さんは「お薦め作品については特集を組み、意味を付けて紹介している。イイと思う作品を一つ一つ選んで話題を提供していきたい」と思いを語る。また、イベント後半に披露される「発掘!映画仰天ニュース」について、浅尾さんは「新作映画を紹介するだけではおもしろくない。過去の作品もおもしろいものがある。今この作品を観るなら、他にもこの作品があるよね、と過去を振り返りイイ部分を引っ張り出したい」と思っている。「僕らは80年代に特撮映画を観て育っている。特撮ならどうやって作っているか興味がある。その背景や制作過程に光をあててみた。プラスアルファとなって、より一層作品を楽しんで頂けたら」と願っている。
なお、イベントでは毎回ゲストを招いたりプレゼントを用意したりしている。浅尾さんは「毎回、私がこの人だと思った人に声をかけ、ゲストとして出演して頂いている。あとはチラシをたくさん持って帰って頂いたり、おみやげをいっぱい用意したりしている。これは映画会社が僕らのやっていることを喜んでいる証拠。お客さんに喜んで頂くために、プレスシートを提供しましょうかと言って頂いているところも」とイベントの裏側を明かす。「僕らがやっているのは小さなことだが、映画会社側は面白いと思ってくれている。僕らもイベントで採ったアンケートを映画会社に報告して、いい関係を築いている」と観客と映画会社をつなげるイベントであることを伺った。
今回のイベント、最初の特集は「春一番特集 音楽で元気になる」。特に音楽映画を中心に、元気になる映画をたくさん観ようじゃないかという呼びかけから『ラ・ラ・ランド』『SING/シング』『モアナと伝説の海』『美女と野獣』『チア☆ダン』『3月のライオン』『LION/ライオン ~25年目のただいま~』を1作品ごとに解説をしながら紹介した。
そして、最初のゲストとして『ゴースト・イン・ザ・シェル』の原作者である士郎正宗さんを世に送り出した青心社の社長、青木治道さんが登場。青木さんは「初めて『攻殻機動隊』がアニメ化されて鑑賞した時、感心した。その当時を思うと、実写化されるとは夢にも思わなかった」と明かす。「勘違いされた内容になるか怖かったが、今作はエンターテインメント作品になっている」と感想を話す。浅尾さんも「オリジナルのアニメーションにある押井さんの世界観を踏襲し、アニメーションのファンはそんなに違和感を持たないのではないか」と述べる。青木さんは「アニメーションに対してのリスペクトやオマージュとして今回の実写版ができたのはビックリしている。物凄く根柢の部分で日本のアニメーションは世界に影響を与えている」と話す。また「原作者や原作に気を遣っている。アメリカのエンターテインメント作品としてどうしたら実写化できるかを考えている」とも捉えている。青木さんは「原作にない部分があるのは当然アリな話。そういう飛躍がないとエンターテインメントとしてはおもしろくならない」と語った。
次のゲストに中之島映画祭企画長の月橋宏隆さんを迎えた。中之島映画祭は、中之島まつりの中で開催している映画祭。46年前に中央公会堂の建て替え案が出て、反対運動が起こり中之島まつりが始まった。最終的に中央公会堂は国の重要指定文化財となり、建て替えられることはなくなった。中之島まつりをみんなで楽しくやっていくものにするべく、楽しいものの一つとして映画祭もやってみようと15年ぐらい前に始まった。月橋さんは「まつりに来た方がふらっと寄る気持ちで入ってくる。自主映画を好きな人じゃない方たちが観に来る映画祭」だと紹介。月橋さんは、自主映画を上映する中之島映画祭について「私自身は昨年から関わった。昨年、自分が好きなバンドが出ている自主映画の試写会を観に行った。そこで、自主映画が面白いと思ったことがきっかけで、自分で自主映画を上映したいと思っていた」と明かす。なお、今年の映画祭はコンペに9作品と「リンク ザ シネフェス」と題して、日本で行われている他の映画祭と繋がりを持ち自主映画を盛り上げていく企画の第一弾として『MOOSIC LAB』で取り上げられた映画が上映される。
さらに、シアターセブン支配人の福住恵さんが登場し「大怪獣チャランポラン祭り 鉄ドン」を紹介。5月5日(金)に28人の監督が怪獣をテーマに撮ったオムニバス映画上映される。福住さんは「『バカ映画をうたっているが、しっかり鑑賞できる作品が多い』と鉄ドン代表の星野さんから聞いている」と話す。「”金返せ”コールが起こるのが定番となっているが、今回はあまりなかった。”金やるわ”と言われた」ことを明かす。なお、現在、好評につき予約枚数に達したため、前売予約受付を終了している。当日券の有無に関しては、決まり次第発表される。
イベント後半は怒涛の勢いで作品を紹介。『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』『ハードコア』『ターシャ・テューダー 静かな水の物語』『バーニング・オーシャン』『グレートウォール』『ワイルド・スピード ICE BREAK』『サクラダリセット 前篇/後篇』『マン・ダウン 戦士の約束』『第3の愛』『バーフバリ 伝説誕生』『メットガラ ドレスをまとった美術館』『パーソナル・ショパー』『人生タクシー』『コール・オブ・ヒーローズ武勇伝』『おじいちゃんはデブゴン』『ひるなかの流星』『クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリ』『名探偵コナン から紅の恋歌』『帝一の國』『追憶』『PとJK』『はじまりへの旅』『ReLIFEリライフ』『ピーチガール』『家族はつらいよ2』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』を予告編と共に紹介していった。
他にも「こんなの初めて、アカデミー賞」と題して、こんなアカデミー賞受賞作品があるよと意外な作品を続々と紹介。「発掘!映画仰天ニュース!!」には『ラ・ラ・ランド』のオープニングシーンのメイキングや『ゴースト・イン・ザ・シェル』の特別映像が紹介された。
「キネマ自身」は年3回程度開催されている。次回、夏頃に開催される予定。また、5月20日(土)にはシアターセブンで 浅尾典彦さんによる夢人塔プレゼンツ大阪ファンタジック映画祭1が開催される予定となっている。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!