プラド美術館の“驚異のコレクション”に迫る!『プラド美術館 驚異のコレクション』がいよいよ劇場公開!
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2019年に開館200周年を迎えた世界最高峰の美術館、プラド美術館の全貌に迫るドキュメンタリー映画『プラド美術館 驚異のコレクション』が、新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴う休業要請の緩和により、7月24日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『プラド美術館 驚異のコレクション』は、2019年に開館200周年を迎えた、世界最高峰の美術館の1つと評されるスペインのプラド美術館全貌に迫るドキュメンタリー。15世紀から17世紀にかけて「太陽の沈まぬ国」とも呼ばれたスペイン王国。プラド美術館には、歴代の王族が圧倒的な経済力と「知識ではなく心で選んだ」約8700点の美術品が収蔵されている。宮廷画家ディエゴ・ベラスケス、フランシスコ・デ・ゴヤ、エル・グレコなどの傑作群にカメラが接写し、天才たちの筆遣いを紹介。ヒエロニムス・ボスの「快楽の園」、男性中心だった17世紀の美術界に名乗りを上げた女性芸術家クララ・ピーターズの静物画などをミゲル・ファロミール館長やベテラン学芸員が解説するほか、収蔵品の保存や修復、研究をするスタッフの作業風景や、新たなプロジェクトに参加する建築家ノーマン・フォスター卿の声などから、プラド美術館の新たな魅力にも迫っていく。
本作では、オスカー俳優ジェレミー・アイアンズがナレーションを務めながら、ナビゲーターとして出演。監督をヴァレリア・パリシが務め、脚本をパリシとサビーナ・フェディーリが担当。なお、日本語吹替版に今井翼さんが参加している。
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映画『プラド美術館 驚異のコレクション』は、7月24日(金)より、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田、難波のなんばパークスシネマ、京都・三条のMOVIX京都、神戸・三宮の シネ・リーブル神戸をはじめ、全国の劇場で公開。
情報量がすさまじい。美術館を取材したドキュメンタリー作品は数多あるが、取り上げられる美術作品の数や振り返る歴史のエピソードの量において本作は群を抜いている。約90分の尺で駆け抜けるようなスピード感で語られており、集中力をもった観賞が必要だ。ガイド役はジェレミー・アイアンズ。なぜスペイン・マドリードの美術館に関するナビゲーターが英国人なのだろうかと疑問だったが、美術館設立200周年にあたってリノベーションを担当した建築士ノーマン・フォスターも英国人であり、プラド美術館には英国が多大な貢献をしていると気づかされた。
平常時であれば世界中からの旅行者、所謂”余所者”で溢れるマドリード。ベラスケスやゴヤもこの街の外から来た画家だ、と紹介され、ルイス・ブニュエルやサルバドール・ダリらシュールレアリストにもしっかりスポットが当たっており、近代美術ファンには嬉しい構成となっている。「もしプラド美術館が燃えたら、どの作品を守るか?」という質問に対するダリの答えが、この美術館の存在意義を象徴していた。彼の返答は、是非とも劇場で確認して頂きたい。
fromNZ2.0@エヌゼット
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- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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