通夜ぶるまいを通して家族の姿を描く『最初の晩餐』がいよいよ劇場公開!
(C)2019『最初の晩餐』製作委員会
父の葬儀に集った家族が、父の遺した1冊のノートから作られた料理を食し、様々な思い出を振り返る姿を描き出す『最初の晩餐』が、11月1日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『最初の晩餐』は、父を亡くした家族が通夜に出てきたある料理をきっかけに父と家族の時間を取り戻す姿を描いたドラマ。父の日登志が亡くなり、カメラマンの東麟太郎は葬儀のために故郷に帰ってきた。通夜の準備を進める中、母のアキコが通夜ぶるまいの弁当を勝手にキャンセルし、自分で料理を作ると言い出す。母が運んできた料理は目玉焼きだった。母が作る数々の手料理を食べていく中で、家族のさまざまな思い出が去来していく。
本作では、染谷将太さんが主人公の麟太郎役を演じ、姉の美也子役を戸田恵梨香さん、兄のシュン役を窪塚洋介さん、両親役を斉藤由貴さん、永瀬正敏さんが務める等、実力派キャストが集った。監督、脚本は「サザンオールスターズ」のドキュメンタリー映画をはじめ、CMやミュージックビデオなどを手がけ、本作が長編初監督作品となる常盤司郎さんが担う。
(C)2019『最初の晩餐』製作委員会
映画『最初の晩餐』は、11月1日(金)より、大阪・梅田のテアトル梅田、難波のなんばパークスシネマ、京都・三条のMOVIX京都、神戸・三宮の神戸国際松竹など全国の劇場で公開。
家族が題材の映画が本年も数多く登場したが、本作は中でも屈指の出来!使い古されたであろう『家族』というテーマに対して緻密な物語を上手く盛り込んだ。
家庭環境は複雑でも、普遍的な食卓を前に素敵な日常が溢れているように見える。怒りを纏った食卓、優しさを纏った食卓、時には食卓の前から逃げたりなんかもして、どこの家庭にも見受けられそうな食卓を囲む時間は東家の記憶の断片となっていく。
本作の凄さは、家族というテーマは一貫しているが、観る人によって恐らく感情移入する部分が様々で、見え方も全く違ってくる点。なんてことない喧嘩の後の味噌汁の啜る音までもが美しく、日常が神秘的な美しさを纏い、映画として成り立つ部分に心を打たれた。
人の数だけ人生があり、人生があれば特別な食もあり、食の数だけ記憶もある。他人からしてみれば、なんの変哲も無い食べ物だろうと、どこかの家族の記憶がつまっていたりするのだ。本作を観た後、改めて自分の最初の晩餐を思い返して余韻に浸ってみてはいかがだろうか?
fromねむひら
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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