女性ジャーナリストのジャネット・ウォールズが自身の半生をつづった自叙伝を映画化した『ガラスの城の約束』がいよいよ劇場公開!
(C)2019 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.
ホームレスの父親との偶然の再会をきっかけに人生を見つめなおそうとする女性の姿を描く『ガラスの城の約束』が、6月14日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『ガラスの城の約束』は、ニューヨークで自立して暮らす主人公の女性が、関係を絶っていたホームレスの父親との再会をきっかけに、本当の幸せをつかむための人生を再び歩み始める姿を描くヒューマンドラマ。人気コラムニストのジャネットは、恋人との婚約も決まり、順風満帆な日々を送っていたが、ある日、ホームレスになっていた父親のレックスと再会する。かつて家族のために「ガラスの城」を建てるという夢をもっていた父レックスは、仕事がうまくいかなくなり、次第に酒の量が増え、家で暴れるようになっていった。高校生になったジャネットは大学進学を機にニューヨークへ旅立ち、親との関係を絶とうとしたが…
本作では、『ルーム』でアカデミー主演女優賞を受賞し、『キャプテン・マーベル』でマーベルヒーロー映画の主演も務めるブリー・ラーソンが、自身の出世作ともいえる『ショート・ターム』のダスティン・ダニエル・クレットン監督と再タッグを組んだ。
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映画『ガラスの城の約束』は、6月14日(金)より、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田、心斎橋のシネマート心斎橋、6月21日(金)より、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸、7月13日(土)より、京都・烏丸の京都シネマをはじめ、全国の劇場で公開。
ブリー・ラーソンの静かだが何故か迫力を感じる演技にウディ・ハレルソンの狂気的な演技が添えられ化学反応を起こしていく。
「ガラスの城を作る」と約束をした父と子の関係は一見どこにでもいる家族を見ているようだ。しかし、全貌は違った…この家族に愛はあるのか?他人からしてみればこんな家族の絆はありえないかもしれない。子に対する父の対応はDVさながらだが、この親子にとっては常軌を逸している行動なのかどうか測る物差しすら持ち合わせていない。そして、これが事実に基づいた内容だから、なおさら驚きを隠せなかった
定職につかず夢を追い求めた男は家族すら巻き込んでしまう。学校で教わるのではなく、経験に教われ、という父の考えが正しいかどうか、親の教えとは子供のどこかにずっと根付いてしまう。本作には子供たち以外にも同じような被害者がいる。その人物と重ね合わせた時、彼の行動の意味がきっと理解できてしまう。この理解が何よりも恐ろしい。
本作を観て家族の愛に感動する人もいれば、家族の愛と片付けられることに逆に違和感や恐怖を覚える人もいるだろう。まさに観る人の感性に左右される。譫妄な父を前にした時のジャネットの恐怖に慄く顔を今でも鮮明に覚えている。あの顔をしたジャネットの取る選択から目が離せない。
fromねむひら
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!