学校では教えてくれない歴史が映画にはある!特集「歴史は我らのもの ~映画は闘いを記録する~」立誠シネマで開催
京都・木屋町通の立誠シネマで第二次世界大戦後の現代史の中で起きた戦いについて描いた作品を上映する特集「歴史は我らのもの ~映画は闘いを記録する~」が2月25日(土)より開催される。
今回の特集「歴史は我らのもの ~映画は闘いを記録する~」は学校では教えてくれない現代史の体温とアクションが映像化されドキュメンタリー作品を中心に上映される。人が歴史の渦中で立ち上がることの威容を捉え、人はなぜ闘うのか、作品に映される彼らはいかに闘ってきたか、翻って、わたしはどう闘うか、をスクリーンから問いかけてくる。
上映作品は以下の通り。
チリで民衆はいかに闘ったかを記録した三部構成のドキュメンタリー『チリの闘い』(1975年)
東ドイツ分断国家の内情を映す『マテリアル』(2009年)
京都の学生による闘争最前線を捉えた『パルチザン前史』(1969年)
成田空港建設についての農民の闘争最前線を追いかけた「三里塚」シリーズの第1作『日本開放戦線・三里塚の夏』(1968年)
中国で起きた革命と粛清と個人史の物語『鳳鳴–中国の記憶』(2007年)
アルジェリアのフランスによる植民支配からの独立を描いた『アルジェの戦い』[オリジナル言語デジタルリマスター版](1966年)
シリア内線の終わらない絶望のさなかを生々しさを届ける『シリア・モナムール』(2014年)
特集「歴史は我らのもの ~映画は闘いを記録する~」は、2月25日(土)から3月3日(金)まで立誠シネマで開催される。一般当日券は1500円学生・シニア1300円立誠シネマ会員1000円となっている。なお、2月25日(土)には映画評論家の北小路隆志さんを迎え、主に『パルチザン前史』『日本解放戦線 三里塚の夏』や本特集全体について、3月1日(水)にはドイツ映画研究家で字幕翻訳もされている渋谷哲也さんが、主に『マテリアル』の解説を行うトークショーが予定されている。
今回の特集で上映される作品は既にいくらかは鑑賞しているが、ここでは最近に鑑賞した『アルジェの戦い』を取り上げる。アルジェリアの独立戦争について、ドキュメンタリータッチで描いた作品で、50年前にこんな作品がつくられたことに驚かせられる。実際に独立戦争が起きた約10年後にアルジェリアで現地の市民が8万人も参加し、アルジェリア軍から武器類も調達して、当時のことを再現している。観客は実際の現場にいるかのように錯覚する。それほどまでにアルジェリアの人々にとって独立は悲願であり、世界に残して後世に託していきたい歴史であることが伝わってくる作品だ。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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