パパはG1チャンピオン!所縁の地から、映画を盛り上げ、新日本プロレスを盛り上げたい…!『パパはわるものチャンピオン』棚橋弘至さんを迎え大阪舞台挨拶開催!
プロレスラーの棚橋弘至さんが主演を務めた、元人気レスラーで今は悪役レスラーとして戦いその家族の絆をつづるファミリードラマ『パパはわるものチャンピオン』が9月21日(金)より全国ロードショーされる。本公開に先駆け、8月24日(金)に大阪・難波のTOHOシネマズなんばでは棚橋弘至さんを迎えて大阪舞台挨拶が行われた。
映画『パパはわるものチャンピオン』は、板橋雅弘、吉田尚令による人気絵本「パパのしごとはわるものです」「パパはわるものチャンピオン」を、プロレスラー棚橋弘至の映画初主演作として実写映画化。かつては人気レスラーとして活躍していた大村孝志は、ケガや世代交代の影響で現在は悪役覆面レスラー・ゴキブリマスクとしてリングで懸命に戦っていた。孝志と妻の詩織は息子の祥太に大きくなったら父親の仕事を教えてあげると約束していたが、ひょんなことからゴキブリマスクの正体が孝志であることを祥太が知ってしまう。祥太は恥ずかしさとショックからクラスメイトにはパパは人気レスラーだと嘘をついてしまうが、リングで必死にバトルを繰り広げるゴキブリマスクの姿がだんだんとかっこよく思えてきて……
上映後、棚橋弘至さんが登壇。登場するや「新日本プロレス、100年に一人の逸材、棚橋弘至です」と挨拶を行い、シアター内の空気を温めていく。
主演俳優として舞台挨拶に登壇することについて、棚橋さんは「こんな未来は思い描いていなかった。チャンピオンになる、東京ドームを満員にするビジョンは見えていたんですが、まさか映画で俳優として…」と感慨深い。そんな中でも、お客さんに目を向け「みんな映画の余韻が残っているよね。わぁっといけない気持ちはわかるよ」と気遣った。先日のG1 CLIMAX 28について「ちょっくら優勝してきました」とお茶目に話しながらも「怪我で苦しんできたが、今の自分を受け入れて、フライフライ、スリング・ブレイド、テキサススクリュー、出来る手札でどのように戦うか、頭を使って試合をしましたね」と振り返る。プロレスを一人でも多くの方に知ってほしいプロモーション活動の根幹として「『プロレスラーとして棚橋はどうなんだ?』と、プロレスラーとして活躍する一番のイデオロギーがブレていたら、何の為にプロレスのプロモーションをしているのか」を意識し続けてきた中で「G1 CLIMAXの優勝も3回目となり、無茶苦茶嬉しい。”パパはG1チャンピオン”ですね」と満面の笑みだ。
棚橋さんにとって、関西は所縁の地。学生時代は京都に4年間住んでいた。現在、年6回の大阪大会があり「その度に堀江に買い物に行ったり、フラッと入ったカフェで珈琲を飲んでいたら写真を撮ってもらったり。インスタグラムに上がっていました」と馴染んでいる。さらに、大阪が思い出深い場所になったエピソードも明かす。チャンピオンになった2006年以降、新日本プロレスのために頑張っていきたいと思っているなかで、”新日本らしくない””チャラい””後ろ髪が長い”とブーイングを受けていた。そんな状況下の中で迎えた2009年6月、大阪府立体育会館での中西学さんとの試合もブーイングから始まった。大中西コールから始まり、中西さんからの強烈な攻撃に耐え続けて、必死に戦っていくと次第に「試合中に突然風向きが変わった。中西コールから、棚西、中橋と聞こえてきて、最後に棚橋コールになった。勝ってベルトを取り戻した試合後、大棚橋コールになって、そのタイトルマッチ以来、大阪は応援してもらえるようになった」と本作における分かり合えない苦しさに準えて、かつての出来事を振り返った。
主演として出演し、棚橋さんは「緊張しました」と言い切る。これまでに「仮面ライダー」や時代劇に出演したことはあるが「主演という責任感があり、撮影の現場を引っ張っていかないといけない」とプレッシャーを感じていたが「俳優としてのキャリアがあまりにもなく、とにかく一生懸命にやっていたら、木村佳乃さんや寺田心君、出演の俳優さんがアドバイスくれたり、演技の中で棚橋を引っ張り上げてくれたり」と助けてもらった。セリフの言い回しについて、滑舌が良くないと認識しており「演技レッスンでは、ほとんど発音できていなかった。その中で『ういろう売り』を練習した」と告白。おかげで「滑舌が良くなった。去年の夏以降は、棚橋のマイクアピールは聞きやすい」と褒めて頂けるようになった。台詞は前夜には頭に入れておく必要があり「主演なので、共演者の台詞を受けて、その感情に一番フィットした演技を返す。受けの演技。イメージを固めてはいけない」と監督からアドバイスも。プロレスの撮影は、3週間の短い期間で撮り終える必要があり、朝6時に出発し7時から撮影を開始し、夜10時まで行われた。朝7時からプロレスの撮影は「朝7時から身体が夕方6時半の体になる必要がある。準備運動はしっかりやるが、朝7時半からツームストーンをくらえない。一度、試合が始まってしまうと、勝負が着くまでのアドレナリンの出し方が難しかった」と困難を極めたが「普段TV中継では入れない位置にカメラが入るので、迫力あるシーンに見えたんじゃないかな」と満足している。なお、ギンバエマスクに扮した田口隆祐選手について「ノリノリだった。撮影現場で木村佳乃さんが来られた時『あの方はどこの劇団の方ですか?』と聞かれるぐらい上手い。『あの方は俳優に向いているわね』と言わしめた」と評しながらも、主演には言われていないことを嘆いた。
本作の原作絵本について、棚橋さんは以前から認知していた。御子さんが通う小学生の読み聞かせの当番で行っており、3,4年ぐらい前に書店で見つけて学校で読んでいたことがある。映画化が決まり、棚橋さんが主演になることを驚き、主人公の状況と重なり、運命を感じた。そこで、今回は、大阪限定で、絵本「パパのしごとはわるものです」の読み聞かせを実演。無事に終えて「良い話ですね。絵本の話が大きな映画になるまで膨らむとは、凄いことだ」と賞賛した。
最後に、棚橋さんは「全身全霊で頑張りました。映画も盛り上がって、新日本プロレスも盛り上がっていきましょう。大阪の皆さん、愛してまぁ~す!」と感謝を伝え、棚橋コールや黄色い歓声を受けながら、舞台挨拶は締め括られた。
映画『パパはわるものチャンピオン』は、9月21日(金)より大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田、なんばのTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条、神戸の109シネマズHAT神戸ほか全国ロードショー!
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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