16世紀イングランドの小さな村を舞台に、シェイクスピアと妻アグネスと3人の子供たちの物語がつづられる『ハムネット』がいよいよ劇場公開!
©2025 FOCUS FEATURES LLC.
ロンドンで執筆に励む夫ウィリアム・シェイクスピアと、地方の村で3人の子供を守る妻アグネスの愛と絆を描く『ハムネット』が4月10日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『ハムネット』は、シェイクスピアの名作戯曲「ハムレット」の誕生の背景にあった悲劇と愛の物語を、フィクションを交えながら描いたドラマ。16世紀イングランドの小さな村。薬草の知識を持ち不思議な力を宿したアグネス・シェイクスピアは、作家としてロンドンで活動する夫ウィリアムが不在のため、3人の子どもたちと暮らしている。ペスト禍のなかで子どもたちを守り奮闘するアグネスだったが、不運にも11歳の息子ハムネットが命を落とし、家族は深い悲しみに包まれる。
本作では、北アイルランドの作家マギー・オファーレルが2020年に発表し、英女性小説賞と全米批評家協会賞を受賞した小説を『ノマドランド』のクロエ・ジャオ監督が映画化した。『ウーマン・トーキング 私たちの選択』のジェシー・バックリーがアグネス、『aftersun アフターサン』のポール・メスカルがウィリアムを演じ、『奇跡の海』のエミリー・ワトソン、『ブルータリスト』のジョー・アルウィンが共演。スティーブン・スピルバーグとサム・メンデスが製作に名を連ねた。第98回アカデミー賞では作品賞ほか計8部門にノミネートされ、ジェシー・バックリーが主演女優賞を受賞した。

©2025 FOCUS FEATURES LLC.
映画『ハムネット』は、4月10日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や九条のT・ジョイ京都や烏丸の京都シネマ、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸等で公開。
ウィリアム・シェイクスピアについて精通しているわけではないが、軽く調べただけでも、彼にまつわる謎がいくらかあるようだ。その一つは、ウィリアム・シェイクスピアの長男ハムネットと「ハムレット」の関係性。そして、ロンドンで活動するシェイクスピアと、妻アンとの関係性だ。これらの謎については、イギリス文革研究の中で大いに議論されてきた。そこで、本作の原作を執筆した作家マギー・オファーレルは、史実にある出来事以外で余白の部分を最大限の想像力を以て書き上げたようだ。さらには、マギー・オファーレルとクロエ・ジャオ監督による共同脚本を以て本作の製作に至っている。実に興味深いクリエイティビティではなかろうか。息子ハムレットの名をタイトルにして、(劇中名では)妻アグネスの視点によって「ハムレット」が作られていく過程を丁寧に描いている。異なる個性を持ったシェイクスピアとアグネスが出会うことはまさに不思議な出来事であり、そこから3人の子供たちを授かったことは奇跡的なこと。以降、シェイクスピアはロンドンで活動し、アグネスが中心となって子育てに励んでいく。だが、当時流行していたペストによってハムネットは命を落としてしまう。これは、冷静になってみれば、現代においても通ずる普遍的な出来事だと捉えることも出来る。その悲しみを以て、シェイクスピアとアグネスは、どこに未来を見出していくことが出来るのか…その一つとして、シェイクスピアは「ハムレット」を作り出しているのだ。だが、アグネスにとっては、どのように受けとめればいいか分からない。その描写の変化が本作最大の見せ場である。そこで、アグネスを演じたジェシー・バックリーの圧倒的な演技力に魅了されてしまう。神秘的な力を持ったアグネスでありながら、素朴な表情も見せられ、最終的には、スクリーンを凝視するしかなかった。それほどの演技を見せられてしまったら、第98回アカデミー賞で主演女優賞を獲得したことに納得せざるを得ない。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

















