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ピアニストのキース・ジャレットが行ったライブの舞台裏を、当時18歳だった女性プロモーターを主人公に据えて描く『1975年のケルン・コンサート』がいよいよ劇場公開!

2026年4月6日

©Wolfgang Ennenbach / One Two Films

 

天才ピアニスト、キース・ジャレットの伝説的なライブ誕生の舞台裏を描いた青春音楽ドラマ『1975年のケルン・コンサート』が4月10日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『1975年のケルン・コンサート』は、世界的ジャズピアニストのキース・ジャレットが1975年1月24日にドイツのケルン歌劇場で行ったコンサートの開催までの舞台裏を、当時18歳だった女性プロモーターを主人公に描いた音楽青春映画。ドイツ・ケルンに住む音楽好きの高校生ヴェラ・ブランデスは、厳格な父親への反抗心もあり、来独ミュージシャンのツアーをブッキングするアルバイトを始める。持ち前のバイタリティを発揮して仕事が軌道に乗り始めた頃、ベルリンのジャズ・フェスティバルに出向いた彼女は、アメリカの天才ピアニスト、キース・ジャレットの演奏に衝撃を受ける。キースのケルン公演を実現させようと決意した彼女は、幾多の困難を乗り越えてコンサート開催に漕ぎつけるが、当日、キースの希望していたピアノとは異なる種類のピアノが用意されるというトラブルが発生する。開演時間が迫る中、キースは演奏を拒否し、コンサート開催が危ぶまれるが…

 

本作では、ライブアルバムの名盤「ケルン・コンサート」としても知られる伝説的なコンサートが、開催中止寸前のトラブルに見舞われるも、弱冠18歳の女性プロモーターの機転と行動力で実現したという、知る人ぞ知る実話を史実に基づき映画化。ドイツの新鋭マラ・エムデがヴェラ役を演じ、キース・ジャレット役を『ファースト・カウ』『パスト ライブス 再会』等で知られるジョン・マガロが演じた。

 

©Wolfgang Ennenbach / One Two Films

 

映画『1975年のケルン・コンサート』は、4月10日(金)より全国の劇場で公開。関西では、4月10日(金)より大阪・梅田のテアトル梅田や京都・烏丸の京都シネマや兵庫・神戸のシネ・リーブル神戸、5月より和歌山のシネマ203で公開。

マイルス・デイヴィスと組んでいたピアニストのライブを主催しようなんて、自分に実績やコネでもない限り恐れ多いし、自分にどうこうできるとも思わない。そんな絵空事を1975年に実現したのはまだまだ業界経験の少ないハイティーンの女の子。父親や世間からの抑圧に”此処じゃない何処か”を切望している彼女が見せた一世一代、最大級のハッタリが成功する舞台裏が映画化された。

 

舞台は1970年代中盤の西ドイツ・ケルン。主人公のヴェラ・ブランデス(以下ヴェラ)は、音楽好きで15歳から地元のジャズクラブに出入りしていた。ある晩。いつものように音楽に浸り、タバコをふかしながら親友と駄弁っていると、プレイを終えたサックス奏者から急にツアーのブッキングを頼まれる。見ず知らずの自分に何を言っているんだろう、と思い尋ねると「君の頼みは誰も断れない」と彼は言う。

 

そんな急な頼みを自分の人生の転機と受けとめたヴェラは、度胸と勢い、そしてハッタリを武器に乗り切り、窮屈な自宅から自立していく。ライブブッキングの仕事を始めた翌年、ベルリンで開催されるジャズフェスティバルで1人のジャズピアニストのライブを目撃する。震えるほどの衝撃を受けたそのジャズピアニストを地元のケルンに呼べたなら…
後に400万枚を売り上げ、最も売れたジャズ・ソロアルバムと言われることとなるライブを開催するために奔走するヴェラの青春突っ走りストーリー。

 

今の時代、割と失われている気がする熱量一発で切り抜けていく姿が妙に美しく、惹きつけられてしまう。実際、彼女の熱に浮かされた周りも自然と協力し始めるし、あまり仲の良くない兄まで縋ってくる。勢いで始めたとしても本気で駆け抜けている人には、運も含め吸い寄せられるんだろう。

 

ヴェラの凄まじいサクセスを追っていくわけだが、とにかく勢いと気合いに満ちている。ただの音楽好きでしかなく、どうやってブッキングをするのかもわからないところから始まる。2026年ならスマホで何でも調べられるし、AIに聞けば何かしらの方向性は掴めそうなもんだけど、1970年代にそんなものはない。年齢や性別を考えると、有識者に聞いたところで相手にされなさそう、最悪だけど。ヴェラは自分でシミュレーションして、電話で正面突破。人間追い込まれたらとてつもないパワーを発揮するんだな。

 

そのヴェラの勢いを表現しつつ、キース・ジャレットが行っていた即興演奏が如く、描かれ方がグルグルと変化し、入り乱れていく。ヴェラの視点でストーリーが進行しているかと思いきや、急にある人物が第四の壁を破って話しかけてきたり、旅路を追うドキュメンタリー映画になったかと思えば、時制の異なる場面を巧みに重ねて心情をより伝えてくる。そのこれだけ聞くとハチャメチャに聞こえるかもしれないが、映画自体がキース・ジャレットの行っていたジャズの即興演奏を表現しており、凄まじい熱量のまま1つのゴールに向かって走り抜けていく。

 

主演のマーラ・エムデは最高にキュートでアツいヴェラ・ブランデスを見事に演じきっている。彼女がやるといったらみんなが彼女のために頑張りたいと思える。必死だし、時に勢いが過ぎて迷惑な時もあるかもしれないが、彼女の目はマジ。まぁ、成功しないといけない諸事情があるのも事実なのだが、それ以上に音楽が好きな気持ちが全面に溢れているからこそ信じたくなる。キース・ジャレットを演じるジョン・マガロは腰も痛いし、しんどいし、帰りたいし、弾きたいピアノじゃないしでグダグダでやる気のない覇気のない感じが佇まいから感じられるほどいい演技をしていたと思
う。

 

映画を観た後は、各種音楽配信サブスクリプションサービスで、アルバム「ケルン・コンサート」を聴いてほしい。あんなに必死で準備した、あんなに弾きたくない、と言っていた先にある痺れるコンサートに浸ってほしい…

fromブライトマン

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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