養子縁組を考えるすべての人の背中を押したい…『ヴィットリア 抱きしめて』主演&監督特別インタビュー解禁!
©2024 Zoe Films, Sacher Film, Scarabeo Entertainment, Ladoc
ナポリで家族と暮らす女性が、繰り返す夢をきっかけに養子縁組を望み、穏やかだった日常が少しずつ揺らいでいく『ヴィットリア 抱きしめて』が4月10日(金)より全国の劇場で公開。今回、4月4日の「養子の日」(日本財団が、特別養子縁組制度の普及と理解促進を目的として制定)に寄せて、主演&監督の特別インタビューが解禁となった。
映画『ヴィットリア 抱きしめて』は、養子縁組を通して家族同士の複雑な関係性や倫理観を描いたイタリア発のヒューマンドラマ。ナポリでヘアサロンを営みながら、夫や3人の息子たちと暮らすジャスミン。家族仲は円満で仕事も充実しているが、自分の人生に足りない何かを感じていた。父を亡くした後、ジャスミンは見知らぬ少女の夢をたびたび見るようになる。夢の中で自分の腕に飛び込んでくる少女に会いたいと強く望む彼女は養子縁組を行うことを決意するが、家族から理解を得られず家庭内がぎくしゃくしてしまう。しかも、通常の養子縁組では性別を選ぶことは許されないことだった。『カリフォルニエ』のアレッサンドロ・カッシゴリとケイシー・カウフマンが監督・脚本を手がけ、同作にも出演したマリレーナ・アマートが主演を務めた。製作にはイタリアの名匠ナンニ・モレッティが名を連ねた。2024年の第81回ベネチア国際映画祭アルカ・シネマ・ジョヴァーニ部門にて最優秀イタリア映画賞を受賞。
この度、4月4日の「養子の日」(日本財団が、特別養子縁組制度の普及と理解促進を目的として制定)に寄せて、主演&監督の特別インタビューが解禁された。本作のモデルであり自ら主演を務めたマリレーナ・アマートの実体験と、彼女を導いた監督たちの言葉から、現代における「家族の選択」を紐解く。

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2016年の実話から誕生。実在の家族が“過去”を再演する驚異のリアリティ
本作の舞台は、イタリア・ナポリ南部。3人の息子と夫に囲まれ、ヘアサロンを営むジャスミンが「娘が欲しい」という強い衝動に突き動かされ、周囲の反対を押し切りながら養子縁組に挑む姿を描く。驚くべきは、主人公ジャスミンとその家族を、プロの俳優ではなく、モデルとなったマリレーナ・アマート氏とその家族本人が演じている点である。監督のアレッサンドロ・カッシゴリとケイシー・カウフマンは、前作の撮影中に偶然出会った美容師のマリレーナから、彼女自身の”養子縁組”の実体験を聞き、その強烈なキャラクターと物語に即座に映画化を確信した、という。監督は「プロの俳優ではない彼女たちに、自分自身以外の人物を演じさせることはできない」と語り、実際の美容室や仕事の合間を縫って撮影を敢行。徹底的な”リアル”を追求した。

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「過去の葛藤に向き合うのは過酷だった」主演・マリレーナが語る撮影の裏側
出演の打診を受けた当初、マリレーナは「かなり驚き、緊張した」と振り返る。撮影は、単なる再現を超えた「感情の追体験」となった。「リハーサルを繰り返すたびに、まるでその瞬間に戻ったかのようだった。再現だと理解していても、感情はリアルだった」と語る通り、劇中では夫との激しい衝突や、養子縁組の厳しい現実を前に挫ける様が、剥き出しの言葉と表情で表現される。監督によれば、撮影現場では想定外の現象も起きた、という。「彼らは自分たちが経験した場面を演じることで、過去の問題や未解決の葛藤に向き合った。まるでカメラが存在しないかのように、本気で問題を解決しようとしていた」と、映画制作が家族の絆を再確認するプロセスになったことを明かしている。

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「養子は喜びを運んできた」13歳になったヴィットリアの今
イタリア国内の養子縁組は、親の年齢が20歳から45歳までという制限があり、三親等以内の家族・親戚全員の同意が必要など、非常にハードルが高い。劇中でも、費用面や待機期間を伝えられたジャスミンが絶望する場面が何度もある。そして国際養子縁組という方法もあることや、養子となる子どもたちが厳しい環境に置かれている現実も描かれている。マリレーナは「イタリアのプロセスは経済的にも負担が大きく、大変だった。でも、準備さえできていれば『恐れないで』と伝えたい。養子縁組を考えているカップルたちに『あなたたちは一人じゃない』と感じてほしくて、この映画に出る決心をしました」と語る。

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映画のタイトルにもなっている娘のヴィットリアは、今や13歳の賢く美しい少女に成長。「初めて会ったとき、彼女は5歳で栄養失調の状態でしたが、目にした瞬間から愛していました。彼女が我が家に来たとき、喜びも一緒にやってきたのです。父が他界してから祝うのをやめていたクリスマスが、ヴィットリアのおかげで再び始まりました。養子は、計り知れない幸せを運んできてくれます。それこそが、私が一番伝えたいメッセージです」と、同じ境遇の人々へエールを送っている。

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世界的には、養子の対象となる子には、家族をもつ権利があるとされている。「養子の日」に家族の意味や養子という家族の形を考えるきっかけになれば、ぜひ本作を鑑賞頂きたい。ある家族の切実な願いと大きな決断を描いた物語は、単なるドラマを超えて、私たちに「家族とは何か」を深く問いかけてくる。

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映画『ヴィットリア 抱きしめて』は、4月10日(金)より全国の劇場で公開。関西では、4月10日(金)より大阪・梅田のテアトル梅田や京都・烏丸御池のアップリンク京都、4月17日(金)より兵庫・神戸のシネ・リーブル神戸で公開。

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- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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