将来不安な大学生が葬式でパパ活相手と遭遇…『Shiva Baby シヴァ・ベイビー』がいよいよ劇場公開!
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大学卒業を控え将来に不安を抱く女性が、親戚の葬儀への出席をきっかけにとんでもない修羅場を経験する姿を描く『Shiva Baby シヴァ・ベイビー』が2月27日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『Shiva Baby シヴァ・ベイビー』は、自分の価値や将来に不安を抱く大学生が、親戚の葬式をきっかけに自己崩壊の危機に直面する数時間の出来事を描いたコメディドラマ。大学卒業を間近に控えたダニエルは、誰が亡くなったのかも知らされないまま親戚のシヴァ(ユダヤ教の葬式)に参列する。故人の自宅では、幼なじみで元恋人のマヤがロースクールに合格したことで賞賛される一方、ダニエルは冴えない進路や容姿の変化について親類縁者たちから不躾に詮索され、居心地の悪さを募らせていく。そんな中、数時間前に会ったばかりのパパ活相手であるマックスが、容姿端麗な実業家の妻キムと赤ん坊を連れてシヴァに現れたことで、ダニエルはますます混乱していく。
本作は、『ボトムス ~最底で最強?な私たち~』のエマ・セリグマン監督がコロナ禍の2020年に発表した長編デビュー作で、セリグマン監督がニューヨーク大学ティッシュ芸術学部の卒業制作として手がけた短編『Shiva Baby』を長編映画化。Z世代のアイコンとしてアメリカで人気を誇る俳優・クリエイターのレイチェル・セノットが、短編版に引き続き主演を務めた。『シアター・キャンプ』のモリー・ゴードン、テレビドラマ「glee グリー」のダイアナ・アグロン、『シリアスマン』のフレッド・メラメッドが共演している。

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映画『Shiva Baby シヴァ・ベイビー』は、2月27日(金)より全国の劇場で公開。関西では、2月27日(金)より大阪・梅田のテアトル梅田や京都・烏丸御池のアップリンク京都、3月7日(土)より神戸・元町の元町映画館で公開。
親戚が一堂に会する時の気まずさは、どこに生まれようと同じらしい。
久しぶりに会う人が多いから近況を話すくらいは仕方ないにしても、スグ人生が上手くいっているかを探ってくる。付き合っている人はいるのか?大学はどうだ?就職は決まったのか?容姿の変化にも簡単に口を出すし、過去の面白話(こちらはちっとも面白くない)を勝手に披露し始める始末。それなのに、それだから?自分たちが認めたくないものは都合よく解釈してふわっとさせる。本当に居心地悪いったらない。
本作の主人公が置かれる環境の気まずさは、これに留まらない。両親ともなんとなく気まずいし、シヴァ(ユダヤ教で葬式後7日間喪に服す期間のこと)には以前付き合っていた彼女も顔を出す。親戚と疎遠にしていたから気づいていなかったけど、ついさっきまで買春していた相手までやってくる…気まずさ無限大。彼女はこの事実を隠しきり、無事に帰宅することができるのか。
エマ・セリグマン監督が卒業制作として撮った短編を長編に仕立て直したデビュー作。家族関係の窮屈さ、自分を理解してくれない環境、気まずい相手とその子供。語るテーマが複雑に絡み合うのに、ヒリヒリしたサスペンスを78分で走り切る。上映時間が長くなりがちな昨今、ここまでスマートにまとまっている作品もそう多くない。一見ダニエルを救うのは難しそうではあるものの、それぞれにある種の許しが見える瞬間が好きだった。
fromブライトマン
新感覚、「親族の集い恐怖症」体験型コメディ映画。
主人公ダニエルは卒業間近の大学生。進路が決まらないまま親のすねをかじり、内緒でパパ活に精を出す”シュガー・ベイビー”。母から半強制的に参加させられるのは、”Shiva(シヴァ)”、近親者が亡くなった際に家族や友人が自宅に訪れ喪に服すユダヤの伝統儀式。故人の事を殆ど覚えていないダニエルは気怠そうに参加するが、なんとそこにはパパ活相手の男と、エリート街道まっしぐらの元カノも参加していてもうてんやわんや。
そんなこんなで序盤から怒涛に繰り広げられるのは、”古く狭いコミュニティに放り込まれた若者あるある”両親含む親族達にあちらこちらへ腕を引かれ、行く先々で、交際状況や結婚、外見について不躾な質問を浴びせられる。髪を、身体を撫で回される姿は、子供扱いされている様にも、女性の身体が公共の物として扱われている様にも感じてしまう。
監督の実体験を参考にしているだけあって、身がよじれるほどのリアルさで誰もが経験したことのある、あの気まずい感じが展開されていく様は苛烈且つ滑稽。どこを向いても突如現れるノンデリに慄き、疲弊していく感覚はまさにホラー。次に襲いかかるのは何ハラなのかと身構えながらも目が離せない。
家族にパパ活が露見する恐怖、将来の不安、ジェンダーへの偏見、ダニエルのストレスがピークに達した時ふと訪れる唯一の理解者との束の間の時間はロマンティックで感動的。前時代的な型に収まることが良しとされている空間で、自身もそれを内面化しつつある主人公にとって、人と同じになれない自分を承認してくれる存在の偉大さは計り知れない。数多の修羅場を経てついに儀式会場を出た先に待つラストシーンは、もう笑うしかないくらいに地獄で、最後まで抜かりない。
fromマスダ
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

















