人生を息子に捧げてきた女性の物語を紡ぐ『私のすべて』がいよいよ劇場公開!
©2024 L.F.P.-LES FILMS PELLEAS/FRANCE 3 CINEMA
障碍のある息子に人生を捧げてきた女性を描く『私のすべて』が2月13日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『私のすべて』は、人生を息子に捧げてきた女性の心と体の解放を繊細に描いたフランス発のドラマ。パリ郊外に暮らすシングルマザーのモナは、若くして授かった発達に遅れのある息子ジョエルをひとりで育ててきた。現在30歳過ぎのジョエルは、障碍者のための職業作業所で働いている。モナとジョエルは互いを支え合い、いたわりながら暮らしてきた。そんなある日、ジョエルと同じ施設で働くオセアンが、彼の子どもを妊娠する。2人の関係について何も知らなかったモナは動揺し、母子の絆も揺らぎはじめる。
本作では、『悪なき殺人』のロール・カラミーがモナを演じ、ジョエル役とオセアン役には障がいを持つ当事者であるシャルル・ペッシア・ガレットとジュリー・フロジェを起用。撮影現場には障がいを持つ俳優のケアを担当する、フランス映画界でただ1人のアクセシビリティ・コーディネーターを登用した。『犬の裁判』で共同脚本を手がけたアンヌ=ソフィー・バイイが長編初監督を務め、2024年の第81回ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門にてオーサーズ・アンダー40賞最優秀監督賞等を受賞している。

©2024 L.F.P.-LES FILMS PELLEAS/FRANCE 3 CINEMA
映画『私のすべて』は、2月13日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のテアトル梅田、京都・烏丸御池のアップリンク京都、兵庫・神戸のシネ・リーブル神戸で公開。
自身の子どもに発達障碍がある場合、様々なことを十分に配慮したケアが必要だ。だが、いつまでも傍にいてケアを続けていくことは現実的には不可能である。いつかは社会的に自立してもらう必要があることは否めない。そのためにも、訓練作業所で働くことも必要だ。そして、そこで恋仲になっていく相手が現れることも自然な出来事である。だが、当事者の親達にとっては一大事だ。子どもの意志を尊重したい思いはあるだろうが、現実を目の当たりにした時、収拾がつかない事態になってしまう可能性はいくらでもある。だが、自らの意思で愛し合い、結婚して子どもを育てたいと考えているならば、親たちは必要十分なケアをした上で、真の意味で自立してほしい、という願いに変わりはないはずだ。
…と考えていると、本作の主人公は、子ども達になり得る可能性があるが、あくまで母親の視点を中心にして描かれていく。発達障碍がある子どもを育てる母親である、という一人の女性であることを前提にしている。本作の原題である「Mon inséparable」を直訳すると”私の離れられない人”という意味が込められていた。子どもから離れることができないと思っていたが、いざ直面した際に、母親である前に、1人の女性として社会で生きていくことを題材していることも気づかされる。だからこそ『私のすべて』という邦題も秀逸だ。そんな風にして、国は違っても、”生きるヒント”を提示しているようにも感じられる一作である。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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