Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

  • facebook

パンクロッカー崩れの独身男が音信不通だった弟から母親が自殺未遂で昏睡状態の報せを受けたことから展開していく『蘭島行』が関西の劇場でも公開!

2025年12月8日

©鎌田フィルム

 

母が自殺を試み昏睡状態に陥ったと弟から連絡を受けた兄が、訳ありの女性を連れて故郷を訪れる『蘭島行』が12月12日(金)より関西の劇場でも公開される。

 

映画『蘭島行』は、北海道小樽近郊の蘭島を舞台に、パンクロッカー崩れの男が、彼の妻のふりをする天涯孤独の女、そして数年ぶりに再会した弟と過ごす数日間を描いたドラマ。東京に住む売れないパンクロッカーの佐々木芳夫のもとに、音信不通だったエリート建築デザイナーの弟である悟史から、母が自殺を図ったという連絡が入る。昏睡状態だという母に会うため、妻のふりを頼んだ女性・黒沢真紀を連れた芳夫は、何年も帰っていない生まれ故郷の北海道・蘭島に駆けつける。悟史を加えた3人は、母が目を覚ますまで奇妙な時間を過ごす。母の日記に目を通した芳夫は「死んだら父の遺骨と一緒に海に散骨してほしい」との記述を目にする。母の願いをかなえるため、3人は母の散骨場所探しへと出かける。

 

本作では、主人公の芳夫役を『はこぶね』『室井慎次 敗れざる者』の木村知貴さん、真紀役を『逃走』の輝有子さん、悟史役を『夜を走る』の足立智充さんがそれぞれ演じる。監督は『YUMENO ユメノ』『TOCKA タスカー』の鎌田義孝さんが務めた。

 

©鎌田フィルム

 

 

映画『蘭島行』は、12月12日(金)より京都・出町柳の出町座、12月13日(土)より大阪・十三の第七藝術劇場や神戸・元町の元町映画館で公開。なお、出町座では12月12日(金)18:05回の上映後、元町映画館では12月13日(土)12:40回の上映後、第七藝術劇場では12月13日(土)18:35回の上映後に主演の木村知貴さんと鎌田義孝監督を迎え舞台挨拶を開催予定。

北海道の小樽市にある蘭島は、日本海に開けた石狩湾にあり、100年以上の歴史を持つ北海道内最古にして道内屈指の海水浴場である蘭島海水浴場がある町だ。そんな町から一念発起して上京した主人公は、今や売れないパンクロッカーになり果てていた。酒に溺れていたある日、母親が自殺を試み昏睡状態に陥ったと弟から連絡を受けることに。さらには、自殺を図ろうとしていた女性を助け、妻のふりをしてもらうことになった。見栄だけで生きてきたような男が家族と再会するにあたって見栄を貫こうとする姿は滑稽であり、或る種儚げでもある。かたや、連絡をしてきた弟はエリート建築デザイナーであるが、気前のいい調子乗りの人間でもあるようにも見えて、立場は違えど似た者同士の兄弟のようでもあった。そんな2人が昏睡状態の母を目の前にした時、結局はどうすることもできないのだ。ただただ目の前にある光景を受け入れざるを得ない。だけれども、お互いが抱えている思いを徐々に吐き出していく中で、改めて家族の絆を認識しているようでもあった。そんな兄弟を前にして巻き込まれてしまった女性の立ち位置は不安定でありながらも、その場に居続けようとする姿は或る意味では凛々しくもある。最終的に、この主人公はどのような思いを母親に届けようとするのか、最後までじっくりと観届けてほしい一作だ。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

Popular Posts