台北でアメリカの麻薬捜査官が危険な捜査を繰り広げる『ドライブ・クレイジー:タイペイ・ミッション』がいよいよ劇場公開!

©2024 – EUROPACORP
潜入捜査の失敗で休暇を言い渡された麻薬取締局の捜査官が、密かに仲間を招集し、台北の麻薬密売人の拠点に乗りこむ『ドライブ・クレイジー:タイペイ・ミッション』が10月24日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『ドライブ・クレイジー:タイペイ・ミッション』は、リュック・ベッソンが製作・共同脚本を務め、台北を舞台に描いたカーアクション。億万長者クワンの麻薬密売を摘発するため潜入捜査をしていたが失敗し、上司から休暇を取るよう命じられたアメリカ麻薬取締局(DEA)の捜査官ジョンは、台北へと向かう。休暇という名目での台北行きだったが、真の目的は、クワンの帳簿データを持つという匿名メールの送り主と接触することだった。メールの送り主は、クワンの養子レイモンド。彼の母でありクワンの妻でもあるジョーイは、天才的ドライブテクニックで裏社会の違法物品を運ぶトランスポーターだ。そんなジョーイはジョンがかつて台北での捜査で出会い、恋に落ちた相手でもあった。ジョンは密かに招集した仲間とともにデータの受け取りを試みるが、クワンの部下と銃撃戦になり窮地に追い込まれる。
本作では、『ワイルド・スピード』シリーズに出演したルーク・エバンスがジョン役、サン・カンが億万長者クワン役を演じ、『Dear Stranger ディア・ストレンジャー』等で国際的にも活躍するグイ・ルンメイがジョーイ役を演じる。監督は「ザ・プロデューサー」のジョージ・ホアンが務めた。
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映画『ドライブ・クレイジー:タイペイ・ミッション』は、10月24日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のテアトル梅田や岸和田のユナイテッド・シネマ岸和田、京都・烏丸御池のアップリンク京都や高の原のイオンシネマ高の原、奈良・橿原のユナイテッド・シネマ橿原で公開。

「3年後、5年後のわたしたちはどうなっているかな」
グイ・ルンメイが演じる主人公の高校生は、そうつぶやきながら台北の街並みを自転車で爽やかに走り去ってゆく。2002年に制作された台湾映画の名作『藍色夏恋』の名場面だ。
あれから20年と少しが過ぎた今、40歳になった彼女が、今度は真っ赤なスポーツカーを駆り、同じ台北の街を走り抜ける。映画館で上映前に流れる高級ジュエリーブランドのCMのような、黒いドレスに身を包んだスタイリッシュな美女のエレガントな佇まい。流れる音楽もある有名クラシック映画を意識しており、この場面だけでもしばらく見ていたい。そう思った矢先に、気持ち良いくらいのスピード違反と信号無視の大爆走。100%掴まれるドライブシーンで映画は幕を開ける。
本作の第一印象は、「観客の見たいものを見せてくれた娯楽映画」だ。ホテル内での銃撃戦は、これは制作リュックベッソン印だ!知ってましたよ!と映画通な顔をしたくなる、期待通りのガンアクション。あっさりと人が死んでしまったり、逆にその人は助かるんだ・・・と安堵したり、コミカルな展開を交えた絶妙な緩急の嚙み合いが楽しい。本作での肉弾戦担当のルーク・エヴァンスは、近年だと実写版『美女と野獣』のガストンなど、マッチョで猪突猛進な役の印象が強いかもしれないが、個人的には、2014年制作の『ドラキュラZERO』の美麗で剛健なバンパイアのイメージが忘れられない。この筋肉と色気なら、10数年前にグイ・ルンメイと付き合っていたのも頷ける(映画の中の話)。悪役ボスの”ワイルド・スピードのハン”ことサン・カンは、とにかくずっと怒っているし、劇中はずっと人も車も走っているしで、この映画も The Fast で the Furious である。ルーク・エヴァンスは元エージェント役で、グイ・ルンメイはマフィアのボスに従順に従う訳ありの妻役らしい?という鑑賞前の情報から、物語の舞台であるご当地台北の有名女優を、ボンドガール的なポジションとしてキャスティングしたのかもしれない?などと予想していたが…最初から最後まで、彼女が主人公と言って間違いない作品なので、その姿が見られることを期待している方には、安心してご期待くださいとお勧めしたい。
原題は「台北追緝令」。「(奴らを)台北まで追え!」的な意味になるはずだが、英語題は「weekend in Taipei」。休暇で台北に来たのだけど、ところが…というニュアンスになるだろうか。台北の街並みがいくつも漆出され、台北観光ムービーとしても楽しい本作、アジア最大のIMAXシアターがあることで有名なミラマーシネマも一瞬映るので、目印の観覧車が見える瞬間にも注目していただきたい。
fromNZ2.0@エヌゼット
ジョーイ役のグイ・ルンメイが魅力的だ。様々なパフォーマンスを観ることができ、演技の幅広さが素晴らしい。カーチェイスでも、一風変わった車によるカーチェイスが楽しめる。映画館での戦いで映されている映画が『LOVERS』であり、どちらも愛している人同士の戦いを暗喩しているようで、クワンが気の毒に思えてしまう。ジョンによるタフなアクションは圧巻だったが、若い頃を描いたシーンでは、しっかりとイケメンになっており、驚くばかり。
fromとっしー

- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!