ザンドラ・ヒュラーの日本初公開3作品含めた出演作を特集上映!「特集・ザンドラ・ヒュラー ——変幻する〈わたし〉のかたち」開催!

©2024 Row Pictures GmbH, Zischlermann Filmproduktion GmbH, Lichtblick Film & TV Produktion GmbH, ZDF, ARTE
2023年に主演2作品がそれぞれアカデミー賞国際長編映画賞とパルムドールを受賞し、映画界を象徴する存在となった、ドイツの名優ザンドラ・ヒュラーの特集上映「特集・ザンドラ・ヒュラー ——変幻する〈わたし〉のかたち」が10月3日(金)より開催される。
特集上映「特集・ザンドラ・ヒュラー ——変幻する〈わたし〉のかたち」…
2023年に『関心領域』と『落下の解剖学』の主演で世界的評価を決定づけ、映画界を象徴する存在となった、ドイツの名優ザンドラ・ヒュラー。2016年の『ありがとう、トニ・エルドマン』で国際的に注目を集めて以来、歴史劇、社会派ドラマ、コメディまで多様なジャンルを横断し、型にはまらない演技で観る者を魅了し続けている。本特集では、これまで日本で公開された名作に加え、日本初公開となる『レクイエム』『エリザベートと私』『二対一』の3作品を含む全7本を一挙に上映する。
特集上映作品(全7本)
『落下の解剖学』(2023/ジュスティーヌ・トリエ監督) 第76回カンヌ国際映画祭 パルムドール受賞
『関心領域』(2023/ジョナサン・グレイザー監督) 第96回アカデミー賞 国際長編映画賞・音響賞受賞
『ありがとう、トニ・エルドマン』(2016/マーレン・アーデ監督) 第89回アカデミー賞 外国語映画賞ノミネート
『希望の灯り』(2018/トーマス・ステューバー監督) 第68回ベルリン国際映画祭 正式出品
『エリザベートと私』(2023/フラウケ・フィンスターヴァルダー監督)
『二対一 東ドイツ通貨統一の夏に発見した大切なこと』(2024/ナーチャ・ブルンクホルスト監督)
『レクイエム』(2006/ハンス=クリスティアン・シュミット監督) ベルリン国際映画祭銀熊賞(最優秀女優賞)受賞
本記事では、特に日本初公開を紹介。
『二対一 東ドイツ通貨統一の夏に発見した大切なこと』…
自由と混乱が交錯する統一前夜の東ドイツを舞台に描いた社会派コメディ。1990年の夏、東ドイツで暮らす幼なじみのマーレン、ロベルト、フォルカーは、旧体制下で廃棄されるはずだった大量の紙幣が残された地下坑道を発見する。貨幣価値を失った金を手にした彼らは、仲間たちと協力して物質と交換する独自の流通網を築き上げていく。西側資本主義に小さな反旗を翻すその行動は、やがて大きな冒険へと発展していく。ザンドラ・ヒュラーがマーレン、『マトリックス レザレクションズ』のマックス・リーメルトがロベルト、『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』のロナルト・ツェアフェルトがフォルカーを演じた。監督・脚本は、『クリスチーネ・F』の主演や『ネレ&キャプテン 壁をこえて』の脚本などで知られるナーチャ・ブルンクホルストが務めている。
©2024 Row Pictures GmbH, Zischlermann Filmproduktion GmbH, Lichtblick Film & TV Produktion GmbH, ZDF, ARTE
『レクイエム』…
1970年代にドイツで実際に起きた悪魔祓い事件をモチーフにしたドラマ。ザンドラ・ヒュラーが信仰と精神疾患の狭間で揺れる主人公を演じ、長編映画初主演作にして2006年の第56回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(最優秀女優賞)を受賞した。1970年代、ドイツの田舎町。てんかんを抱えるミヒャエラ・クリングラーは、敬虔なキリスト教徒の母の反対を押し切り、教育学を学ぶため大学に進学する。新たな生活を始めた彼女は、そこで旧友ハンナと再会し、医療的な助けを受けるよう勧められる。しかしミヒャエラは発作の再発をきっかけに薬の服用をやめ、自分が悪魔に取り憑かれたと信じるようになる。心の闇を深めていくミヒャエラの前に、信仰を揺るがす2人の神父が現れ…
『グッバイ、レーニン!』のブルクハルト・クラウスナーが共演している。
©2006 Hans‑Christian Schmid/23/5 Filmproduktion GmbH
『エリザベートと私』…
オーストリア皇后エリザベートと、彼女の侍女となったハンガリーの伯爵令嬢イルマの歪んだ関係を描いた歴史ドラマ。19世紀末。結婚も修道院も拒んだハンガリーの伯爵令嬢イルマは、母に命じられ、ギリシャ・コルフ島で孤独に暮らすオーストリア皇后エリザベートの侍女となる。女性だけが暮らす館で、イルマは風変わりな皇后の言動に振り回されながらも、次第に彼女に心惹かれていく。装いや生活も皇后に合わせ、ともに旅を重ねるうち、ふたりの関係は歪んだ共依存へと変化していく。ザンドラ・ヒュラーが侍女イルマ、『男と女、モントーク岬で』のスザンネ・ウォルフが皇后エリザベートを演じ、『大いなる自由』のゲオルク・フリードリヒが共演している。
©2023 Frauke Finsterwalder / Walker + Worm Film / MMC Independent / C‑Films AG / Dor Film Produktionsgesellschaft
特集上映「特集・ザンドラ・ヒュラー ——変幻する〈わたし〉のかたち」は、東京・恵比寿のYEBISU GARDEN CINEMAで10月3日(金)より開催。なお、上映後には、以下の通り様々ないベントを実施予定だ。
10月3日(金) 19:00『二対一』-ゲスト:吉川美奈子(字幕翻訳者)
10月5日(日) 13:00『レクイエム』-ザンドラ・ヒュラー特別インタビュー映像上映、ゲスト:月永理絵(映画ライター)
10月6日(月)19:00『エリザベートと私』-ゲスト:村上由鶴(写真研究・美術評論、『アートとフェミニズムはだれのもの?』著者)
10月8日(水)19:00『希望の灯り』 :ゲスト:松永美穂(ドイツ文学者、翻訳家、早稲田大学文学学術院教授)、杵淵博樹(クレメンス・マイヤー『夜と灯りと』翻訳者、東京女子大学教授)
10月11日(土)16:00-『関心領域』 ゲスト:山崎まどか(コラムニスト)

- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
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