かつて香港に存在した九龍城砦を舞台に、不動産屋で働く女性と先輩社員が織りなすラブロマンス『九龍ジェネリックロマンス』がいよいよ劇場公開!

©眉月じゅん/集英社・映画「九龍ジェネリックロマンス」製作委員会
かつて香港に存在した九龍城砦を舞台に、不動産屋で働く女性が、思いを寄せている先輩と自分と同じ姿の恋人が映った写真を見つけたことをきっかけに、現在と過去が交錯していく『九龍ジェネリックロマンス』が8月29日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『九龍ジェネリックロマンス』は、妖しくも美しい街である九龍を舞台に繰り広げられるミステリアスなラブロマンス。九龍城砦の不動産屋で働く鯨井令子は、先輩社員の工藤発に恋をしている。九龍を知り尽くす工藤は令子をお気に入りの場所へ連れ出してくれるが、2人の距離はなかなか縮まらない。それでも令子は、靴屋を営む楊明や、さまざまな店でアルバイトをする小黒ら大切な友人もでき、九龍で過ごす日々に満足していた。そんなある日、工藤と立ち寄った喫茶店である金魚茶館の店員タオ・グエンに、令子は工藤の恋人と間違われる。さらに令子が偶然見つけた写真に写っていた工藤の恋人は、令子に瓜ふたつだった。失った過去の記憶、もうひとりの自分の正体、そして九龍に隠された巨大な謎。過去と現在が交錯するなか、秘密が解き明かされていく。
本作では、テレビアニメ化もされた眉月じゅんさんの人気コミックを実写映画化。吉岡里帆さんが令子役、水上恒司さんが工藤役で主演を務め、ある理由から令子に近づく巨大製薬会社の社長である蛇沼みゆき役で竜星涼さん、金魚茶館の店員タオ・グエン役で栁俊太郎さん、令子の友人である楊明役で乃木坂46の梅澤美波さん、小黒役で花瀬琴音さん、蛇沼と行動をともにするユウロン役でフィガロ・ツェンさんが共演。『君は放課後インソムニア』の池田千尋さんが監督を務めた。
©眉月じゅん/集英社・映画「九龍ジェネリックロマンス」製作委員会
映画『九龍ジェネリックロマンス』は、8月29日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や大阪ステーションシティシネマや難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や九条のT・ジョイ京都、神戸・三宮のOSシネマズミント神戸等で公開。

今年は、年始早々以来にヒットしている『トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』によって、かつて香港に存在した九龍や九龍城砦に改めて注目が集まっている。このタイミングで、眉月じゅんさんの作品が、TVアニメーションと映画となって公開されることは実に喜ばしい限りだ。『トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』が壊されていく直前の出来事を描いていく。本作では、何故だか今も!?存在している九龍城砦が舞台だ。発展していく香港の傍らで、それに馴染めない者達が自然と集まってきた中で、営みを続けている九龍城砦の中で営む不動産屋を中心にした本作には、古き良き日本の面影があるようにも見受けられ、愛おしくなってしまう。撮影は、香港や台湾の街並みで行われており、自然と納得してしまう方もいるだろうか。そんな場所で繰り広げられるのは、かつて存在していた女性に思いを馳せる男女の物語。偶然の一致にしても程がある女性について探っていく中で、この九龍城砦に秘められた謎も徐々に明かされていくストーリーテリングは興味深い。TVアニメーションでは13話で構成されており、少しずつ謎を解き明かしていくが、本作では、2時間近くで構成されており、脚本家の腕の見せ所だろうか。今春にTVアニメーション版を楽しんだ方も、映画ならではの見どころを存分に楽しんでみることをオススメしておきたい。

- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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