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新都市の開発を推進する天才建築家の姿を描く『メガロポリス』がいよいよ劇場公開!

2025年6月17日

© 2024 CAESAR FILM LLCALL RIGHTS RESERVED

 

貧富の差が社会問題となったアメリカを舞台に、新都市の開発を計画する天才建築家が、絶体絶命の危機に直面する様を描く『メガロポリス』が6月20日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『メガロポリス』は、アメリカをローマ帝国に見立てた大都市ニューローマを舞台に、理想の新都市メガロポリスを通じて未来への希望を描き出すSF叙事詩。21世紀、アメリカの大都市ニューローマでは、富裕層と貧困層の格差が社会問題化していた。新都市メガロポリスの開発を進めようとする天才建築家カエサル・カティリナは、財政難のなかで利権に固執する新市長フランクリン・キケロと対立する。さらに一族の後継を狙うクローディオ・プルケルの策謀にも巻き込まれ、カエサルは絶体絶命の危機に陥る。

 

本作は、巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督がH・G・ウェルズ原作の映画『来るべき世界』に着想を得て1980年代より脚本を構想し、2001年には撮影準備を進めていたが9・11同時多発テロの影響で中断。そのまま頓挫の危機に陥ったが、2021年にコッポラ監督が私財1億2000万ドルを投じて製作を再始動させ、2024年についに完成させた。『スター・ウォーズ』シリーズのアダム・ドライバーが天才建築家カエサル役で主演を務め、彼と対立する市長キケロ役でドラマ「ブレイキング・バッド」シリーズのジャンカルロ・エスポジート、キケロの娘ジュリア役でドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」シリーズのナタリー・エマニュエルが共演。2024年の第77回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

 

© 2024 CAESAR FILM LLCALL RIGHTS RESERVED

 

映画『メガロポリス』は、6月20日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のTOHOシネマズなんばなんばパークスシネマ、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や九条のT・ジョイ京都や烏丸御池のアップリンク京都、神戸・三宮のkino cinema 神戸国際等で公開。

フランシス・フォード・コッポラ監督が約186億円の自腹を切り(先祖代々手掛けるワイン事業の一部を売却)製作した集大成作品である本作。第77回カンヌ国際映画祭でパフォーマンス付き上映が開催され、話題になっていたので、日本の劇場で公開することが出来るのか、と気になっていた…というより心配になっていた(日本では、6月18日にグランドシネマサンシャイン 池袋で一度限りのパフォーマンス付きIMAX®特別先行上映会を実施する)。

 

まさに、究極のインディペンデント映画ともいうべき本作。畏れ多くも試写の機会に拝見してみると、経済危機、貧困・差別に起因する格差や分断など、現代社会における諸問題を存分に描いていた。アメリカをローマ帝国に見立て、ニューヨークを比喩したかのような架空の街、ニューローマにおいて、アダム・ドライバーが演じる天才建築家が、革新的な素材を用いて人々が平等で幸せに暮らせるユートピアであるメガロポリスの開発を推進。しかも、時を止める能力を備えており、異次元レベルでの仕事を手掛けていた。とはいえ、誰もが予想出来ない一大プロジェクトであり、市長とは対立し、主人公の一族の中からはやっかみがあり、その他にも様々なトラブルに巻き込まれてしまうのだ。されど、自らの理想を実現するべく、邁進していく姿について、観客は何を感じるだろうか。『地獄の黙示録』をはじめ、人間の愚かさや絶望といった負の局面を描いてきたコッポラ監督が、本作においては、人間の美しさ”や希望を描こうとしている。まさに真骨頂であり集大成的作品として観終えることができた。されど、86歳を迎えても次なる作品を構想しているのだろうか。畏れ入るばかりだ。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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