ヴェネツィアの教会内にある懺悔室で、岸辺露伴が仮面を被った謎の男の懺悔を聞くことから物語が展開していく『岸辺露伴は動かない 懺悔室』がいよいよ劇場公開!

©2025「岸辺露伴は動かない 懺悔室」製作委員会 © LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社
ヴェネチアを取材する岸辺露伴が、ある教会の懺悔室を訪ねるが、そこで出会った男からおぞましい告白を聞くことになる『岸辺露伴は動かない 懺悔室』が5月23日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』…
人気漫画家の岸辺露伴はベネチアの教会で、仮面をかぶった男の恐ろしい懺悔を聞く。それは、かつて誤って浮浪者を殺した男がかけられた「幸せの絶頂を迎えた時に“絶望”を味わう」という呪いについての告白だった。男は幸福から必死に逃れようとしてきたが、ある日無邪気に遊ぶ娘を見て「心からの幸せ」を感じてしまう。その瞬間、死んだはずの浮浪者が現れ、男はある試練に挑むことになる。そんな男の奇妙な告白にのめりこむ露伴は、相手の心や記憶を本にして読む特殊能力「ヘブンズ・ドアー」を使用するが、やがて自身にも呪いが襲いかかっていることに気づく。
本作は、荒木飛呂彦さんの人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズのスピンオフ「岸辺露伴は動かない」を高橋一生さん主演で実写化したテレビドラマの映画版第2作。原作漫画「岸辺露伴は動かない」シリーズの最初の作品「懺悔室」を基に、映画オリジナルエピソードを加えながら、邦画初となる全編ベネチアロケで映画化した。岸辺露伴役の高橋一生さん、担当編集者である泉京花役の飯豊まりえさんらレギュラー陣に加え、井浦新さん、玉城ティナさん、戸次重幸さん、大東駿介さんが新たに参加している。
©2025「岸辺露伴は動かない 懺悔室」製作委員会 © LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社
映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』は、5月23日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や九条のT・ジョイ京都、神戸・三宮のOSシネマズミント神戸等で公開。

「ジョジョの奇妙な冒険」の中でも、印象的な岸辺露伴先生が主人公のスピンオフを映画化した作品第2弾。今回は、漫画では1997年に発表された最初のエピソード「懺悔室」が取り上げられた。掲載当時は、怪我をして連載を中断していた岸辺露伴が、休載期間を使ってイタリアへ旅行に行き、ストーリーの新展開のための取材を行っていた、という設定。本作では、細かいディテール面では大きく変化しているが、懺悔室に入ったことで巻き込まれていくストーリーテリングは変わっていない。「幸せの絶頂を迎えた時に“絶望”を味わう」という呪いの設定は、実は、ストーリーの冒頭から大きく影響している。各々の不思議なエピソードには、岸辺露伴が遭遇していく物語ならではのように感じていたが、それらがこの呪いによって点と点が一つの線として繋がっていたことに気づかされた時、本作が織り成していくミステリーの醍醐味だと感じられた。それは、まるで伊坂幸太郎さんが手掛けた小説を読んだ時に感じたものと共通してい。最終的に、この呪いとどのように対峙し、取り払うことが出来るのか…実にトリッキーで見応える作品に仕上がっているので、是非とも、このおもしろさを劇場で体感してほしい限りだ。

- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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