諏訪大社の祭礼を追うドキュメンタリー『鹿の国』がいよいよ関西の劇場でも公開!
©2025 Visual Folklore Inc.
日本で最も古い神社のひとつ、長野県にある諏訪大社の祭礼を追ったドキュメンタリー『鹿の国』が1月17日(金)より関西の劇場でも公開される。
映画『鹿の国』は、信州・諏訪盆地に位置する日本最古の神社のひとつ、諏訪大社の四季の祭礼を追ったドキュメンタリー。長野県の諏訪湖を囲むように建てられた、上社前宮と本宮、下社春宮と秋宮の四社からなる諏訪大社。その創建は古事記の国譲り神話にまでさかのぼり、自然そのものを御神体とする古来の信仰の姿を現在に伝えている。本作では、いのちの循環への原初の祈りが込められた四季の祭礼を追うとともに、畏怖と謎に包まれてきた中世の「御室神事(みむろしんじ)」を再現。冬の間に神域の穴倉に籠められた少年の生き神である大祝(おおほうり)の前で繰り広げられた芸能と、春に化粧を施されて出現する大祝に捧げられた75頭の鹿の生贄の謎に迫る。諏訪の古代史を長年にわたって探求してきた映画監督で映像民俗学者の北村皆雄さんプロデュースのもと、これまでネパールやチベットの生と死の文化を題材にドキュメンタリー作品を手がけてきた弘理子が監督を務め、諏訪大社の撮影協力により3年をかけて完成させた。声優の能登麻美子とクリエイターのいとうせいこうがナレーションを務め、国内外から高く評価される音楽家の原摩利彦さんが音楽を担当している。
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映画『鹿の国』は、関西では、1月17日(金)より京都・烏丸の京都シネマ、1月18日(土)より大阪・十三の第七藝術劇場で公開。
全国に数多ある諏訪神社の総本社である諏訪大社。太古の昔から受け継がれてきた自然信仰がある、と聞いても何も不思議なことではない。とはいえ、実際にどのようなことが行われているか、熟知している方はどれだけいるのだろうか。お供え物は勿論のこと、なんらかの捧げるものがあるのか?改めて考えてみると気になることばかり。本作では、古の歴史を振り返りながら、600年前に途絶えた謎の「御室神事」を再現していく。鹿を贄とする祭礼も実際に行われていた。これは、現代でも本当に実現してもよろしいことなのだろうか。まさに神聖なる出来事であり、誰も指摘や反論をいってはいけないものではあるのだろうが、やはりどうしても気になってしまう。さらには、神の使いとされた少年達の存在も浮き彫りにしていく。本作の為に再現されたものである、という認識があったとしても、少年達はどういった心境なのだろうか。滑稽に感じない、といえば嘘になってしまう。最終的に、一体何を見せられているのだろう、と思う方も少なからずいるはずだ。また、同時にスクリーンに映し出される光景に魅了される方々がいてもおかしくはない。なぜ諏訪大社でこのような神事が太古より受け継がれてきたのか。本作を鑑賞しながら考えてみるのも趣深きことなのでは。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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