作曲家・中山晋平の生涯を描く『シンペイ~歌こそすべて』がいよいよ劇場公開!
©「シンペイ」製作委員会 2024
少年時代に旅楽団に魅せられた青年が、苦学生時代と母を亡くした悲しみを経て、大成していく『シンペイ~歌こそすべて』が1月10日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『シンペイ~歌こそすべて』は、明治に生まれ、大正・昭和を生き、「ゴンドラの唄」「東京音頭」「シャボン玉」「てるてる坊主」など、童謡、歌謡曲、音頭、民謡などさまざまなジャンルの約2000曲を残した作曲家・中山晋平の生涯を描いた伝記ドラマ。信州から上京し、東京音楽学校(現・東京藝術大学音楽学部)に入学した中山晋平。ピアノの習得が卒業レベルではないため、落第・留年の危機に陥るが、教師の幸田先生に演奏以外の才能を見いだされ、どうにか卒業する。やがて演出家・島村抱月から「芸術は大衆の支持を離れてはならない」という教えを受けた晋平は、作曲家として「カチューシャの歌」「船頭小唄」といった流行歌から、「シャボン玉」「てるてる坊主」といった童謡まで、さまざまなジャンルの曲を手がけるようになる。自分の音楽を理解してくれる敏子とも結婚し、二人の養子を迎えて幸せに暮らす晋平だったが…
本作が映画初出演、初主演となる歌舞伎俳優の中村橋之助さんが18歳から65歳までの中山晋平を演じるほか、志田未来さん、渡辺大さん、染谷俊之さん、三浦貴大さんらが顔をそろえる。監督は『ハチ公物語』の神山征二郎さんが務めた。
©「シンペイ」製作委員会 2024
映画『シンペイ~歌こそすべて』は、1月10日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条、兵庫・伊丹のTOHOシネマズ伊丹で公開。
中山晋平さんが手掛けた楽曲といわれると何が思い浮かぶだろう。世代によってバラバラかもしれないが、この曲も手掛けているのかぁ、と驚かされる。「いのち短し、恋せよ、少女」という何年も歌い継がれてきたフレーズが有名な「ゴンドラの唄」も中山晋平さんなんですよね。また、童謡も沢山手掛けている。本作では、「シャボン玉」誕生のエピソードが描かれており、明るい曲調の中に、どことなく憂いさを感じさせてしまう理由には、こういった謂れがあったのか、と初めて知った。だからこそ、歌い継がれてきた童謡なんだな、と実感せざるを得ない。同時に、歌は世につれ世は歌につれ、の如く作曲を手掛けると云うことは、当時の政治や世情から逃れることができない、ということにも気づかされる。それでも後世に残していくことができる楽曲を本当に数多手掛けているには脱帽するばかり。歌謡曲のルーツを知ることが出来る本作を通じて、中山晋平さんが残したものがどれだけ有意義であったか実感する。戦後80年を迎える今年において平和な世の中だからこそ、良き歌が残されていくことを切に願うばかりだ。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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