ノルウェーの大自然に生きる老夫婦を娘がカメラに収めたドキュメンタリー『SONG OF EARTH/ソング・オブ・アース』がいよいよ劇場公開!
©Speranza Film AS 2023
ノルウェー西部の山岳地帯オルデダーレンで生活している老夫婦に1年間密着した『SONG OF EARTH/ソング・オブ・アース』が9月20日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『SONG OF EARTH/ソング・オブ・アース』は、ノルウェーの山岳地帯で大自然の中に生きる老夫婦の姿を捉えたドキュメンタリー。美しい大自然に囲まれたノルウェー西部の山岳地帯オルデダーレンに暮らす、84歳のヨルゲン・ミクローエンと妻マグンヒルド。彼らの娘で『もしも建物が話せたら』等のドキュメンタリー作品で知られるマルグレート・オリン監督は、両親の姿をカメラに収めるべく帰郷する。ヨルゲンはこの国で最も美しい渓谷と呼ばれる場所に娘を案内しながら、自身の生い立ちや最愛の妻への思い、そしてこの土地で自然とともに生きてきた何世代にもわたる人々の人生について静かに語る。季節ごとに異なる表情を見せる自然の風景をドローンや最新の撮影機材を駆使しながら圧倒的な映像美で映し出し、シンプルで豊かに生きる両親の姿を通して、人生の意味や生と死について探究していく。『ベルリン・天使の詩』等の巨匠ヴィム・ヴェンダースとノルウェーを代表する名優リブ・ウルマンが製作総指揮に名を連ねる。
©Speranza Film AS 2023
映画『SONG OF EARTH/ソング・オブ・アース』は、9月20日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のTOHOシネマズなんば、京都・烏丸の京都シネマ、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸等で公開。
『もしも建物が話せたら』のマルグレート・オリン監督が、両親が住む山岳地帯の四季にカメラを向けたならば、まさに大自然が生きていることが存分に伝わってくる。ノルウェー西海岸にある山岳地帯であるオルデダーレンならば、季節の移り変わりを観るだけでも十分に価値がある。永久凍土のように思えた雪が徐々に溶け出し、歪な形に変化していきながら雪解け水が流れ出していく姿には圧倒されるばかりだ。そんな自然の移ろいゆく姿を日々見つめていく生活は、この老夫婦にとってはかけがえのない時間となっていくのだろう。その中では、自然と共に暮らす人々だからこその確固たる人生哲学があり、他の土地で暮らすような選択肢は想定していない。ならば、マルグレート・オリン監督が自ずと両親の姿を長い期間をかけて作品として残しておきたい気持ちも理解できる。だからこそ、映画館の大きなスクリーンで観る価値がある作品と云えるのではないか。一見の価値ある作品だ。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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