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様々な事情を抱えて生きる現在から輝かしい青春時代を描き出す『台北アフタースクール』がいよいよ劇場公開!

2024年7月23日

©2023 ALL RIGHTS RESERVED.

 

同じ予備校に通った青年達が再会をきっかけに青春時代を思い起こす『台北アフタースクール』が7月26日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『台北アフタースクール』は、監督デビュー作『ぼくの人魚姫』で高く評価された台湾の人気俳優ラン・ジェンロンが、自身の亡き恩師をモデルに撮りあげた青春映画。1994年の台北、予備校「成功補習班」に通うチャン・ジェンハン、チェン・シャン、ワン・シャンハーの3人組は、予備校で「成功三剣士」と呼ばれる問題児だった。卒業後それぞれの人生を歩んでいた彼らは、入院中の恩師シャオジーを見舞うため久々に再会。先生の言葉をきっかけにかつて通った予備校を訪れ、懐かしい青春の日々を振り返る。高校3年、大学入試まで残り約1カ月となったある日、成功補習班に代理講師シャオジーが着任してくる。シャオジーは枠にとらわれない授業で生徒たちに寄り添い、3人は自分らしく生きるシャオジーと過ごすうちに、それぞれ自分自身と向き合うようになっていく。注目の若手俳優ジャン・ファイユン、チウ・イータイ、『ひとつの太陽』のウー・ジエンハーが主演を務め、シャーリーズ・ラム、ホウ・イェンシーが共演。2023年の第36回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門では「成功補習班」のタイトルで上映された。

 

今回、ラン・ジェンロン監督と主演のジャン・ファイユンのインタビューが届いた。

 

【ラン・ジェンロン監督】

☆本作は、ラン・ジェンロン監督の恩師であるミッキー・チェン監督をモデルに描かれたとお伺いしました。製作までの経緯や、ミッキー・チェン監督との実際の思い出を描いたシーンがあれば教えて下さい。

…実際にジュンジー先生(ミッキー・チェン監督)の家や塾にも行ったことがあり、ジュンジー先生との思い出を基に、シャオジー先生の家や塾を描いているので、かなり実際の思い出に近しいものになっています。

 

☆これまで主に俳優をメインにご活躍されていたかと思いますが、本作は俳優のみならず、監督、脚本そしてプロデューサーに挑戦された理由をお聞かせ下さい。

…俳優のみならず、監督、脚本家、プロデューサーとして裏方の様々な仕事を経験することで、映画の完成に必要な一通りの流れを理解することができると思ったためです。実際に経験してみて、一つの映画が完成するまでには、多くの人々の協力が必要であることを知り、本当に感謝しています。

 

☆作中には、日本とのつながりが感じられるものがいくつか登場しますが、監督ご自身、日本にまつわる思い出などあればお聞かせ下さい。

…1990年代に初めて日本に行きましたが、その時の印象は清潔で整然としているということでした。また、当時の台湾では日本のドラマや映画が盛んに観られており、それらは私たちを成長させてくれた存在でした。その時代、ストリートも日本文化の影響を強く受けていたので、映画には当時の日本のストリート要素が多く含まれています。

 

☆劇中、エンドロールで使用されていたレスリー・チャンの「Monica」の選曲理由をお聞かせ頂けますでしょうか?

…「Monica」という曲を選んだ理由は、レスリー・チャンがジュンジー先生にとってアイドル的存在であったためです。この曲を選んだのはジュンジー先生の青春に敬意を表す意味があります。「Monica」が日本で人気の曲であることは後に分かりました。

 

【ジャン・ファイユン】

☆本作のオファーが来た時のお気持ち、またオファーを受けた理由をお聞かせ下さい。

…企画書を見て、映画の一部が同性愛者についてのものであることを知ったとき、最初は正直、出演することに少し抵抗がありました。なぜなら、キャラクターを上手く演じられないのではないかと心配だったのです。しかし、完成した台本を受け取った時、マネージャーは私に、台本を読んでから話し合うよう求めました。そう言われて読んでいくうちに、自然と物語に引き込まれていき、台本を読み終えると、心が温かくなり、昔のことを思い出しました。そして、チャン・ジェンハンとチェン・シャンがお互いに抱いている愛も、私自身にも、このようなとても親しい友人がいるため、とても心に響きました。愛にはいろいろな種類がありますが、愛とは、実際、非常にシンプルなものなのだと感じました。

 

☆台湾の映画公式 SNS でメイキングやオフショットなどを拝見して、楽しそうな現場の様子が印象的でした!撮影期間中の思い出や”青春”を感じられる印象的なエピソードがあれば教えて下さい。

…撮影過程全てが、私にとって忘れられない思い出になりました。チャン・ジェンハンの父親が、チャン・ジェンハンとチェン・シャンを警察署から連れ出すシーンがあります。実際、その場面は重いはずなのですが、監督が付け加えたセリフと演技がとても面白かったので、イータイと私は笑いをこらえることができませんでした。必死でこらえようとしましたが、こらえきれなかったので、あの短いシーンを何度も撮ることになったのです。自分の若いころの思い出がたくさん蘇ります。世代は違っても、若いころはみんな同じようなことをやっていたんだな。とても興味深いし、笑えるなと思いました。

 

☆本作の監督であり、ご自身の大人になった役を演じられたラン・ジェンロンさんとの印象的なエピソードがあれば教えてください。

…初めて監督にお会いしたときは、ラン・ジェンロンさんということでかなり緊張しました!監督はクールでちょっと近寄りがたい…という印象があったのですが、話してみると、実はとても面白い人だということに気づき、撮影中に打ち解けることができました。実は、私は自分にあまり自信がない人間なので、監督から「カット!」と叫ばれると、緊張して、うまくできたか心配で、黙って監督の顔を見てしまうことが多いのです。監督はそれに気づいてくれたのか、私が監督を見ていることに気づくと、肯定の表情を浮かべて褒めてくれたので、安心して続けることができました。私が緊張しているのを監督が気づいてくれて、すれ違いざまに背中をポンと叩いて励ましてくれることもありました。最初は、監督は近寄りがたい人だと思っていたのですが、後になって、実はとても面白くて温かい人だと気づきました。

 

☆日本の観客の皆さんにメッセージをお願い致します

…愛には様々な形があります。必ずしも一つだけとは限りません。皆さんと一緒に映画の中で、純粋で若々しい勇気を取り戻せることを願っています。

 

©2023 ALL RIGHTS RESERVED.

 

映画『台北アフタースクール』は、7月26日(金)より全国の劇場で公開。関西では、7月26日(金)より大阪・心斎橋のシネマート心斎橋や京都・烏丸の京都シネマ、8月2日(金)より神戸・新開地のCinema KOBEで公開。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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