人見知りな小説家と交通事故で両親を亡くした15歳の姪の同居生活を描く『違国日記』がいよいよ劇場公開!
©2024 ヤマシタトモコ・祥伝社/「違国日記」製作委員会
両親を亡くした少女と、少女を引き取った人見知りの小説家の同居生活を描く『違国日記』が6月7日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『違国日記』は、人見知りな女性小説家と人懐っこい姪の奇妙な共同生活を描いたヒューマンドラマ。大嫌いだった姉を亡くした35歳の小説家である高代槙生は、姉の娘である15歳の田汲朝に無神経な言葉を吐く親族たちの態度に我慢ならず、朝を引き取ることに。他人と一緒に暮らすことに戸惑う不器用な槙生を、親友の醍醐奈々や元恋人の笠町信吾が支えていく。対照的な性格の槙生と朝は、なかなか理解し合えない寂しさを抱えながらも、丁寧に日々を重ね生活を育むうちに、家族とも異なるかけがえのない関係を築いていく。
本作は、コミック誌「FEEL YOUNG」で2017年から2023年まで連載されたヤマシタトモコさんの漫画を映画化。新垣結衣さんが槙生役、オーディションで抜てきされた新人の早瀬憩さんが朝役でダブル主演を務め、槙生の友人の醍醐を夏帆さん、元恋人の笠町を瀬戸康史さん、朝の親友である楢えみりを小宮山莉渚がそれぞれ演じる。監督・脚本は『PARKS パークス』『ジオラマボーイ・パノラマガール』の瀬田なつきさんが務めた。
©2024 ヤマシタトモコ・祥伝社/「違国日記」製作委員会
映画『違国日記』は、6月7日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や七条のT・ジョイ京都、兵庫・神戸のOSシネマズミント神戸やシネ・リーブル神戸等で公開。
育ての親を亡くした子を引き取った主人公の物語、と聞くと『うさぎドロップ』を思い出してしまうが、本作は違っている。今作の場合、突然に両親を亡くしてしまったのは、主人公の姉の娘である姪、思春期真っ盛りな15歳の少女だ。全寮制の高校に入るか、アルバイトをしながらどうにか生活していくか、何れにせよ大変な状況になっていく。されど、親戚の誰もが引き取ろうとしない。そんな状況を鑑み、まさに勢いで引き取ることにした主人公。突然に始まった共同生活は、お互いに理解し合うべく過ごそうとしてしまうが、どうしてもぎごちなさがあり、相容れない部分が生じてしまう。だが、近すぎず遠すぎない距離感によって、家族とは違った関係性をつくっていく様子が微笑ましい。主人公の高代槙生を演じるのは、新垣結衣さん。昨年の『正欲』でも見せてくれたような、素っ気ない態度をとりながらも心に秘めた思いがある女性を凛とした姿で演じている。姪の田汲朝を演じるのは早瀬憩さん。感受性が豊かでありながらも不安定な感情を抱える高校生を見事に演じ切っていた。この2人の共演によって、いつまでも見ていたくなる愛おしさがある作品に仕上がっている。本作の奥深さをもっと知りたくなったら、ヤマシタトモコさんの原作コミック(全11巻、54話)を読んでみるとか、制作が発表されたTVアニメを楽しみにしてみるのはいかがでしょうか。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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