両思いになった瞬間にこの世界から消えてしまう男性と、彼に「好き」を伝え続ける主人公による恋模様を描く『不死身ラヴァーズ』がいよいよ劇場公開!
©2024「不死身ラヴァーズ」製作委員会 ©高木ユーナ/講談社
両思いになると世界から消えてしまう運命にある男性と、彼を追いかけ続ける女性が何度も出会いと別れを繰り返す『不死身ラヴァーズ』が5月10日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『不死身ラヴァーズ』…
長谷部りのは幼い頃に出会った甲野じゅんを運命の相手だと信じ、彼のことを忘れらずにいた。中学生になったりのはじゅんと再会を果たし、後輩で陸上選手の彼に思いを伝え続けるが、ついに両思いになった瞬間、彼はこつ然と消えてしまう。しかも彼がこの世に存在しなかったかのように、誰もじゅんのことを覚えていないという。その後もじゅんは、高校の軽音楽部の先輩や車椅子に乗った男性、バイト先の店主など別人となって何度もりのの前に現れ、両思いになると消えるという不思議な現象を繰り返していく。それでも諦めないりのの真っ直ぐな思いは、やがて奇跡を起こす。
本作は、『ちょっと思い出しただけ』の松居大悟監督が、高木ユーナさんのコミックを実写映画化。『衝動』の見上愛さんが主人公りの役で映画単独初主演を果たし、『正欲』の佐藤寛太さんが運命の相手じゅんを演じた。シンガーソングライターの澤部渡さんによるソロプロジェクトであるスカートが主題歌と劇伴を担当している。
©2024「不死身ラヴァーズ」製作委員会 ©高木ユーナ/講談社
映画『不死身ラヴァーズ』は、5月10日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のテアトル梅田や心斎橋のシネマート心斎橋や難波のなんばパークスシネマ、京都・烏丸御池のアップリンク京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸等で公開。
今年の年明け、松居大悟監督が10年以上温めたラブストーリーを映画化、という第一報が流れていた頃からワクワクしていた本作。松居監督ならではの、一風変わっていながらも、直球で思いを投げつけてしまうこともあり、気づけば観る者は愛おしくなってしまうキャラクター像が全開だ。原作コミックとは、長谷部りのと甲野じゅんの立場を入れ替えているが、だからこそ、嘗てあったような恋愛映画にありがちなドラマチックになり過ぎたキャラクターではないことも重要だ。見上愛さん演じる長谷部りのは、いつだってまっしぐらに佐藤寛太さん演じる甲野じゅんに思いを伝えていく。直球過ぎて清々しくなるキャラクターが見事にハマっている。佐藤寛太さんは、様々な個性を持った甲野じゅんを演じており、若手俳優の中でも数々の役柄を演じているからこその出来映えだ。そんな2人による怒涛の恋愛模様にはいくらでも驚かされてしまい、トリッキーな展開に目が離せない。その中には、予告編でも映し出されている長谷部りのがギターをかき鳴らしながら歌う劇中曲が、もはや主題歌なのではないか、と思えるほどに際立っていた。最終的に様々な謎が解き明かされた後に、スカートによる「君はきっとずっと知らない」が流れ、すっきりとした気持ちで観終えられる。松居大悟監督による10年越しの映画化を最早オススメしない理由は一切ない、と言える一作だ。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!