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ロック創始者リトル・リチャードの素顔と功績に迫ったドキュメンタリー『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』がいよいよ劇場公開!

2024年2月26日

©2023 Cable News Network, Inc. A Warner Bros. Discovery Company All Rights Reserved

 

1950年代アメリカの音楽シーンで、保守的な風潮の中、ゲイであることを隠さず活動し、ロックの源流となったリトル・リチャードに迫ったドキュメンタリー『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』が3月1日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』は、ロックンロールの創始者のひとり、リトル・リチャードの知られざる真実と素顔に迫ったドキュメンタリー。1955年、デビュー曲「トゥッティ・フルッティ」の大ヒットで彗星のように音楽シーンに現れた黒人アーティスト、リトル・リチャード。反権力志向の若者たちの心をつかんでヒット曲を連発するも突然引退を宣言し、5年間にわたる“教会への回帰”を経て、復帰後はイギリスツアーを通じて無名時代のビートルズやローリング・ストーンズに決定的な影響を与えていく。当時のアメリカでは南部を中心に人種差別が激しく、さらに彼はゲイを公言する性的マイノリティーでもあり、陽気なキャラクターを演じつつも壊れやすい繊細な魂をもつ人物だった。

 

本作では、差別と偏見、時代と流行、信仰と音楽活動など、さまざまな狭間の中で苦悩し闘い抜いた彼の魂の軌跡を、本人および親族・関係者、識者の証言や豊富なアーカイブ映像、さらにミック・ジャガー、ポール・マッカートニーら著名ミュージシャンの証言映像を通してひも解いていく。

 

©2023 Cable News Network, Inc. A Warner Bros. Discovery Company All Rights Reserved

 

映画『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』は、3月1日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のT・ジョイ梅田や心斎橋のシネマート心斎橋、京都・烏丸御池のアップリンク京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。

ロックの起源を辿っていくと、1940年代であるか、1950年代であるか、諸説ある。本作では、1950年代をルーツとしており、重要人物であるリトル・リチャードの素顔に迫っていく。ビートルズやローリング・ストーンズが敬愛していることは分かるが、同世代であるエルヴィス・プレスリーも敬愛していることには驚かされる。それだけ唯一無二の存在であることを思い知らされた。しかも、ゲイを公言をしていたことを初めて知り、今ではなく当時の社会情勢を鑑みれば、少数派としてよくぞ活動出来たんだな、と畏れ入る。多様性が重んじられるようになった2020年代の今だからこそ伝えるべき物語が存分にあった。1957年には人気の絶頂期であるにも関わらず、突如として引退を発表し、アラバマ州のオークウッド大学に入学して神学を修め牧師となる。しばらくはロックを罪深い悪魔の音楽として遠ざけゴスペルを歌っていたことには驚くばかり。とはいえ、1962年にロック・シンガーとして復帰し、1986年にはロックの殿堂入りを果たすので、彼の栄光は決して忘れられていない。時代が進むにつれ、ロックというジャンルの派生や多様化は広がっていきながら、”ロック冬の時代”と言われた時にこそ、リトル・リチャードの真髄にふれる本作を観る意義があるのではないだろうか。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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