原発事故による全町避難で無人地帯となった福島県富岡町に1人で暮らす男の今を追う『劇場版 ナオト、いまもひとりっきり』がいよいよ大阪の劇場でも公開!
原発事故による全町避難で無人となった福島県富岡町で、残された動物たちを世話しながらひとり残った男性を追った『ナオトひとりっきり』の続編『劇場版 ナオト、いまもひとりっきり』が4月1日(土)より大阪の劇場でも公開される。
映画『劇場版 ナオト、いまもひとりっきり』は、福島第一原発の事故による全町避難で無人地帯となった福島県富岡町で、取り残された動物たちの世話をしながら暮らす男性を追った2015年公開のドキュメンタリー『ナオトひとりっきり Alone in Fukushima』の続編。2011年の原発事故後、人の人生を金で解決しようとすることの不条理さや、命を簡単に“処分”しようとする理不尽さに納得できず、たった1人で富岡町に残り動物たちの世話を続けた松村直登さん。前作から8年、コロナ禍や東京オリンピックを経た現在も、彼は変わらず動物たちに餌をやる日々を過ごしている。町の一部は帰還宣言をしたが、多くの住民は戻ってこない。全国で原発再稼働の動きが進められる中、松村さんの生き方を見つめながら、日本の“今”を考える。前作に続き『ハリヨの夏』の中村真夕さんが監督・撮影・編集を手がけた。
映画『劇場版 ナオト、いまもひとりっきり』は、大阪では、4月1日(土)より十三の第七藝術劇場、4月8日(土)より十三のシアターセブンで公開。
福島第一原発の事故によって全町避難となり無人地帯となった福島県富岡町。10年以上たった今でも完全に復興は出来ていない。現在は、特定復興再生拠点区域の避難指示解除となったが、避難指示解除自体は3回目となっても、多くの住民は戻ってこないのだ。作中で描かれているが、特定復興再生拠点区域という定義も曖昧なものなのか、とすら思えてしまう。そんな状況下、たった1人で富岡町に残り動物たちの世話を続けた松村直登さんの思いは計り知れない。生きるための農業を営むのであれば、酪農以上に大切にしなければならない動物達。人命を大切にするのは勿論、動物の命に対する補償とはいったい何なのか、とすら考えてしまう。2020年以降、コロナ禍となり、もはや過去のものとされてしまうような社会の空気感に抗い、今もナオトさんは動物達のお世話をしながら生き続けているはずだ。
- キネ坊主
- 映画ライター
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- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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