アイルランドにある平和な孤島イニシェリン島を舞台に、親友同士の男達の間で起こる絶縁騒動を描く『イニシェリン島の精霊』がいよいよ劇場公開!
(C)2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
内戦が続くアイルランドの孤島を舞台に、交友関係だった友人から突如絶縁を告げられた男性に待ち受ける運命をシニカルに描く『イニシェリン島の精霊』が1月27日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『イニシェリン島の精霊』は、人の死を予告するというアイルランドの精霊であるバンシーをモチーフに描いた人間ドラマ。1923年、アイルランドの小さな孤島イニシェリン島。住民全員が顔見知りのこの島で暮らすパードリックは、長年の友人コルムから絶縁を言い渡されてしまう。理由もわからないまま、妹や風変わりな隣人の力を借りて事態を解決しようとするが、コルムは頑なに彼を拒絶。ついには、これ以上関わろうとするなら自分の指を切り落とすと宣言する。
本作では、『スリー・ビルボード』のマーティン・マクドナー監督が手掛け、『ヒットマンズ・レクイエム』でもマクドナー監督と組んだコリン・ファレルとブレンダン・グリーソンが主人公パードリックと友人コルムをそれぞれ演じる。『エターナルズ』のバリー・コーガン、『スリー・ビルボード』のケリー・コンドンらが共演した。
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映画『イニシェリン島の精霊』は、1月27日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田、心斎橋のイオンシネマシアタス心斎橋、難波のTOHOシネマズなんば、京都・三条のMOVIX京都や烏丸の京都シネマ、兵庫・西宮のTOHOシネマズ西宮OSや神戸・三宮のOSシネマズミント神戸等で公開。
今回、ディズニーより、『イニシェリン島の精霊』の試写会に招待頂きました。ふとしたきっかけ!?のようなものから、長年の友人コルムから絶縁を言い渡されてしまう主人公のパードリック。何気ない些細な会話がきっかけとなり、今まで溜まりに溜まっていたものの限界が来て、いきなり友情を断絶されてしまう。こういったことは人間誰しもが起こり得る出来事だと感じる。だが、それがどこまで過剰になっていき、狂ってしまうか。人それぞれではあるが、場合によっては社会を巻き込む事件にも及んでしまうことは現実にはあるが、本作では、そのベクトルは一種違った方向に向かっていく。それこそが、『スリー・ビルボード』のマーティン・マクドナー監督が手掛けたことによる醍醐味である、と感じた。
では、この諍いは何を表しているのか。本作の舞台となったのは、アイルランドの小さな孤島であるイニシェリン島。架空の島ではあるが、1923年の出来事。作中では、大砲の音が聞こえてこないことを指摘していた。当時は、アイルランド内戦が勃発している渦中だ。パードリックとコルムのやり取りは冷戦を表しているかのように見え、いつ火種を起こしていくか分からない。しかし、彼らが本当に望んでいるものが何なのか…と考えてみれば、実に示唆に富んだ作品であることに気づかされた。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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