Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

  • facebook

フランスの“黄色いベスト運動”を追ったドキュメンタリー『暴力をめぐる対話』がいよいよ関西の劇場でも公開!

2022年11月7日

(C)Le Bureau Jour2F e te 2020

 

2018年から社会的不平等に声をあげた“黄色いベスト運動”を現場映像を提示し、民主主義の問題を語り合う『暴力をめぐる対話』が11月11日(金)より関西の劇場でも公開される。

 

映画『暴力をめぐる対話』は、フランス政府への抗議活動「黄色いベスト運動」に対する武力行使の記録映像から、人間や国家が抱えるジレンマを追究したドキュメンタリー。2018年に地方都市から瞬く間にフランス全土へ拡がり、政権に抗議を続ける「黄色いベスト運動」。燃料価格や生活費高騰による社会的不平等への怒りが高まるにつれて抗議は激しさを増し、2019年3月16日にはパリで200人以上の参加者が警察に拘束された。ダビッド・デュフレーヌ監督は、警官による暴力行為を市民がSNS上に投稿する「Allo Place Beauvau」をWEB上で管理する中で、多くのデモが抑圧の対象となっていることや、武力鎮圧の増大を目の当たりにする。デュフレーヌ監督は民主主義国家の存続をかけた重要な問題に対し、負傷した市民や警察関係組織、弁護士、社会学者、心理セラピストら24人にデモの記録映像を提示して対話を促し、「正義」と呼ばれる「暴力」の原因と結果について考察していく。

 

(C)Le Bureau Jour2F e te 2020

 

映画『暴力をめぐる対話』は、関西では、11月11日(金)より京都・烏丸の京都シネマ、11月12日(土)より大阪・十三の第七藝術劇場で公開。また、神戸・元町の元町映画館でも近日公開。

香港のデモに関するドキュメンタリー映画が日本でも公開されるようになった昨今。フランスでも、「黄色いベスト運動」が起こっていたと改めて思い出した。本作の場合、デモを起こしている姿を映し出していくのではなく、その姿を捉えた映像を様々な立場や主張を持った方に見せたことによって起こる言動の数々を見せていく。この手法は、ドキュメンタリー映画の発展形でもあるように感じた。各々が映し出される一種の暴力に対し、それぞれの正義を振りかざしていく。誰が正しくて誰が間違っているか、を指し示す編集は行っておらず、あくまでニュートラルな立場でいようとする制作側の姿勢が伺える。夫々の立場が自らの主張を以て対話をしてほしいだけだ。だが、決してお互いが納得できる結論までには至らない。「黄色いベスト運動」を初めて観る者にとっては衝撃的ではあるが、冷静になって「暴力」とまでなった経緯を理解し、「結果」として何がもたらされたのか考えていきたい一作である。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

Popular Posts